研究課題/領域番号 |
19K10772
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (80305268)
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研究分担者 |
及川 正広 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60537009)
小野木 弘志 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (50610200)
藤澤 望 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60807048)
鈴木 美代子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (30558888)
武田 利明 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 硬結 / 予防 / 筋肉内注射 / 抗エストロゲン剤 |
研究実績の概要 |
本年は,まず,閉経後乳がん治療に使用される抗エストロゲン剤の筋肉内注射部位に発生する硬結の様子やそれに対する看護ケアを明らかにすることを目的とし,A県内の施設で,抗エストロゲン剤の注射を受けている患者を看護している看護師を対象に,質問紙調査を行った.質問紙の内容は,硬結経験の有無,経験ありの場合にはその硬結の形態等の様子,硬結に対して行ったケアや患者の様子,看護師として硬結に関して困っていることとした. その結果,対象看護師の63.2%が硬結を経験し,硬結の大きさは直径1.0~2.0㎝が多かった.それらの半数は外見上の変化はなく触れて確認できたものだった.また,硬結から潰瘍や瘢痕の形成に至ったものもあった.看護師は,副作用として自覚し症状軽減を目指して一般的な硬結予防の手技の徹底など気を付けているものの,硬結そのものへのケアはできていなかった.また,硬結を認めた患者の60%が痛みや違和感を訴えていたことgが分かった.そして,看護師全員が,刺入しにくい,注入しにくい,不安,怖い,ストレスなどの困難を抱えていた. 抗エストロゲン製剤の筋肉内注射部位における硬結は,かなり高い確率で確認されていることが分かった.硬結は小さいうちに発見されているものの,有効なケアがなされず重症化していることが示唆された.看護師は,処置の完全性に対する困難のほか,心理的負担を抱えていた.また,患者の多くが硬結による痛みや違和感を訴えていることも明らかとなり,硬結対策を検討する必要性が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床での調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大により調査ができない状況となったため、当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床での調査は、新型コロナウィルスの収束状況、各施設の調査実施の諾否によるため、予定することが難しいことから、進められる時期に可能な範囲で行っていくこととする。 その間に、次の段階の研究としていた動物実験を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた臨床での調査が、コロナウィルス感染拡大の影響により実施できなかったため、旅費および人件費・謝金の支出が予定より少なくない、次年度使用額が生じた。 コロナウィルス感染の収束状況、施設の調査実施の諾否の状況をみながら、進められる範囲で計画を進めていく予定である。
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