研究課題/領域番号 |
19K10776
|
研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
川瀬 淑子 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (80642652)
|
研究分担者 |
平井 由佳 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (20335524)
梶谷 麻由子 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (20592075) [辞退]
吉川 洋子 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授(特任) (30280126) [辞退]
岡安 誠子 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30346712)
松本 亥智江 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70262780)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 新人看護師 / 臨床判断力 / シミュレーション / シチュエーションベースドトレーニング |
研究実績の概要 |
本研究は、新人看護師の臨床判断に至るまでの思考力の鍛錬にむけたシミュレーション教育プログラムの開発と評価を行い、その有用性を検証することを目的とした。新人看護師へのインタビュー調査結果をもとにシミュレーション教育プログラムを作成し、A県内の卒後1年未満の新人看護師26名を対象に、多床室での観察の優先順位、患者の急変時の観察と対応の2場面を設定したシチュエーションベースドトレーニングを実施した。教育プログラム実施後の満足度調査結果、【理論的・実践的推論】【観察による状態の把握】の2下位尺度23項目からなる臨床判断力尺度を用いた実施前後、2か月後の自記式質問紙調査結果、実施後のリフレクションシートに記載された学びの内容について分析し、教育プログラムの評価を行った。結果、教育プログラムに対する満足度は高く、看護実践への活用について肯定的な回答が得られた。臨床判断力について、2下位尺度とも教育プログラム実施前に比べ実施後、2か月後の得点が上昇しており、群内に有意差がみられた。 教育プログラム実施後のリフレクションシートに記載された内容のうち学びについて記載されている箇所を抽出し内容分析を実施した結果、【患者への心理的なケアを行う】29.3%、【十分な観察からアセスメントや判断を行う】26.1%、【先輩看護師へ相談と報告をする】16.3%、【冷静に対応する】7.6%、【必要な情報を収集する】6.5%、【知識を獲得する】5.4%、【患者の状態を予測する】4.3%、【環境を整える】4.3%の8カテゴリーが生成され、新人看護師は十分に観察し情報を得るとともに、患者の状態の見通しを立てながらアセスメントや判断を行うことを学んでいると推察された。 以上の結果からシミュレーション教育プログラムの有用性が示唆された。
|