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2019 年度 実施状況報告書

高齢血液透析患者の唾液分泌促進と口腔内衛生改善に向けた口腔ケアプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K10777
研究機関福岡県立大学

研究代表者

古庄 夏香  福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (70412690)

研究分担者 前田 ひとみ  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
岩崎 正則  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80584614)
粟野 秀慈  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20301442)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード血液透析 / 口腔ケア / 口腔乾燥 / QOL / 患者
研究実績の概要

今年度は、対象は研究協力病院に外来通院している18歳以上の血液透析患者を対象(高齢者に限定せずに実施)に、3か月間、口腔内乾燥状態(安静時唾液量、刺激時唾液量、口腔粘膜水分量)、口腔乾燥に関する質問紙(XI)、口腔内細菌数、栄養関連血液データ、KDQOLについて実態調査を行った。
対象者は男性31名、女性10名の計41名、年齢は30~80歳代で平均年齢65.0±13.4歳であった。唾液分泌量の平均値は、安静時唾液量0.4±0.5ml/分(乾燥あり(0.1ml/分以下)群6名)、刺激時唾液量1.3±0.8 ml/分(乾燥あり(1.0ml/分以下)群16名)、口腔粘膜水分量26.6±2.2(乾燥あり(27未満)群24名)と口腔乾燥を認める患者の割合が多かった。口腔乾燥の主観的評価であるXIは、(11~55点で高いほど乾燥あり)の平均得点は22.3±8.9であり、乾燥の自覚のある割合が多かった。口腔内細菌数の平均値は、1,426×10万±1,027×10万個であり、汚染傾向がみられた。栄養関連血液データの平均値は、TP6.5±0.4 g/dl、Alb3.8±0.2g/dl、Hb11.3±0.9g/dl、Ht35.5±3.1%、GNRI95±4.9であり、健常者の平均値に比べ、低い傾向がみられた。。KDQOLの平均得点は腎疾患特異的尺度は68.2±11.6、包括的QOL尺度(2017年国民標準値を50とする)は43.6±9.3であり、QOLは低下している傾向があった。
口腔ケアプログラムの作成は、歯科医師、歯科衛生の指導のもと、唾液分泌を促進させることを目的とした方法を検討した。手技は口腔ケアを行う全員の手技の統一のため、複数回練習を重ね、技術のレベルの統一を図った。今後は、実態調査を行った患者に対し、口腔ケアプログラムの介入を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、対象は研究協力病院に外来通院している18歳以上の血液透析患者を対象(高齢者に限定せずに実施)に、3か月間、口腔内乾燥状態(安静時唾液量、刺激時唾液量、口腔粘膜水分量)、口腔乾燥に関する質問紙(XI)、口腔内細菌数、栄養関連血液データ、KDQOLについて実態調査を行った。
口腔ケアプログラムの作成は、歯科医師、歯科衛生の指導のもと、唾液分泌を促進させることを目的とした方法を検討し、マニュアルを作成した。手技は口腔ケアを行う全員の手技の統一のため、複数回練習を重ね、技術のレベルの統一を図った。

今後の研究の推進方策

作成した口腔ケアプロブラムを実施する。この口腔ケアプロブラムは3か月間にわたり実施する予定である。最初の1か月間は週1回の口腔ケア介入とするが、1か月ごとに唾液分泌の状況を確認し、分泌の促進が不自由分であった場合、週2回、週3回と回数を増やし、プログラムのバージョンアップをしていく。
実態調査に協力いただいた患者に口腔ケアプロブラムの介入にも参加していただき、唾液分泌量の変化でプロブラムの有効性の評価を行っていく。
介入研究に入る直前に新型コロナウイルス感染症が流行し、現在、介入が行えない状況である。研究協力施設と連携をとり、介入調査が行える時期になったら、感染対策には十分な注意を払い実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

3月から介入調査開始予定であったが、新型コロナ感染症の影響により介入が先延ばしになり、その期間の人件費が余剰になった。また、感染予防具が新型コロナ感染症の影響で購入できないことも理由である。
次年度、感染予防具の購入と、介入調査の人件費で使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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