研究課題/領域番号 |
19K10777
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
古庄 夏香 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (70412690)
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研究分担者 |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
岩崎 正則 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (80584614)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20301442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 血液透析 / 口腔ケア / 口腔乾燥 / QOL / 患者 |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度実態調査を行った対象者に、口腔ケアプログラムを実施した。 口腔ケアプログラムの作成は、歯科医師、歯科衛生士と協議し、唾液分泌を促進させる方法かつ、歯科領域の専門家でないと実施できない特別な器具や技術ではなく、看護師が実施できる内容のものとした。口腔内をブラッシングし、歯肉に刺激を与え、口腔内のプラークを除去し、舌をスポンジで拭うことで、口腔内の清潔を保ち、唾液が出やすいようにした。また、顎下腺、耳下腺といった唾液分泌部位をマッサージすることで唾液の分泌をさらに促そうとした。口腔ケアは手技を統一して行うため、複数回練習を行った。口腔ケアプログラムは昨年度末に方法を決定し手技の確認まで終わっていたが、新型コロナウイルス感染症の流行のため予定していた時期の介入が中止となった。そのため半年以上遅れての介入開始となったため、再度、手技を確認して介入を行った。 口腔ケアプログラムは実態調査を行った41人に依頼を行ったが、病気の治療で転院した患者や、新型コロナウイルス感染症流行を理由に参加を拒否した対象者がいたため、29名に対して行った。しかし、介入終了時の検査に関しては、患者の病態の悪化によりさらに2名の対象者が検査を実施できなかったため、27名の介入後の検査データ収集となった。 実態調査については、口腔乾燥の自覚の有群が、口腔乾燥の自覚無群に比べてQOLの低下が認められた。また、口腔乾燥有(刺激時唾液量の低下有)群が、口腔乾燥無(刺激時唾液量の低下無)群に比べて、GNRI、総蛋白、アルブミンの栄養をあらわすデータが低いことが分かった。今後は、介入前後の比較を行い、口腔ケアプログラムの評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、口腔ケアプログラムを作成し、研究協力病院に外来通院している18歳以上の対象者のうち、実態調査参加者41名中29名に口腔ケアプログラムを実施できた。新型コロナウイルス感染症の流行もあったが、感染対策を徹底して行い(実施時は2名体制で感染に十分留意することや、感染対策物品を適切に使用し)、協力病院もの感染対策の協力を頂きながら介入まで行うことができた。介入時期に関しては、実態調査終了後より間を間を空けずに実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行のため、研究協力病院の受け入れ状況もあり、引き続きの介入ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
実態調査については、結果が出たので学会発表や論文発表で公表を行う。介入結果については、介入前後の比較を行い、口腔ケアプログラムの効果を検討し、より効果的なプログラムの開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行下での介入研究であったため、人件費や感染症対策費用が予定していた額よりも多くかかった。そのため、400,000円前倒し請求を行った。
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