研究課題/領域番号 |
19K10778
|
研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
石田 佳代子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (90341239)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 看護学 / 医療・福祉 / 自然災害 / 看護師 / トリアージ / 遺体 / 遺族 / 教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国内における災害現場でのトリアージによって、「黒」のトリアージ・タグ を付された傷病者(以下、黒タグ者)に看護師が対応するための訓練教材としての試作のDVDを製作し、また、このDVD教材の使用効果を検証のうえ、量産化と普及に向けた準備を行うことである。 2020年度は、DVD製作のためのシナリオハンティングおよびロケーションハンティングを目的とした訪問調査を行い、その結果を整理したうえでDVDシナリオ案を検討した。本年度は、シナリオ案を作成し、それを基に仮ビデオの素案を作成した。全体の構成は、導入、事例紹介、実演場面、連携、心構え、まとめとし、所要時間を20分程度とした。主な内容は、1)黒タグ者を収容する場所(以下、黒エリア)の立ち上げから撤収までの一連の流れを通して必要な対応を総論的にイメージすることができるもの、2)先行研究で教育ニーズの大きかった「死亡確認の立ち合い」、「遺族支援」、「感染予防のための遺体管理」などの場面を各論的にも学べるようなものとし、実践的な教育教材となるように考案した。症例は、国内における過去の災害事例を参考にして、病院内の黒エリアに搬入された被災者(黒タグ者)とその家族に対するケアを行う場面とした。災害の種類は地震災害を想定することとした。本番撮影を2021年度の8月に計画し、キャストを決定するとともに、初回打ち合わせからDVD製作完了までのスケジュールを具体化した。以上のように、本番撮影に向けて準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ・ウイルス感染症の影響により対面による研究活動の実施が困難な状況が続いており、仮ビデオ作成以降の工程を当初の予定通りのペースで進めることができていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年6月~7月に実演者等とのシナリオ打ち合わせ、8月上旬に本番撮影、12月までにDVD製作が完了するように計画している。しかし、新型コロナ・ウイルス感染症による事態が収束に向かうまでは、研究協力者等との対面による研究活動が制限される可能性が高く、状況によっては本番撮影を延期せざるをえなくなる可能性も考えられる。可能な範囲で準備を進め、2021年度中の撮影終了を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ・ウイルス感染症の影響により、未だ実施できていないため。新型コロナ・ウイルス感染症による事態が収束に向かうまでは対面による研究活動の実施は避け、次年度において早めに実施するように計画を変更した。そのために、次年度使用額が生じた。 本年度の残額については、次年度におけるDVD製作費150万円のほか、物品費5万円(聴診器、ペンライト、衛生用品、感染対策用品など)、旅費60万円、人件費50万円としての使用などを予定している。
|