研究課題/領域番号 |
19K10782
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
八木 街子 (佐伯街子) 自治医科大学, 看護学部, 講師 (60610756)
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研究分担者 |
村上 礼子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (60320644)
都竹 茂樹 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (70467869)
山内 豊明 放送大学, 教養学部, 教授 (20301830)
中野 裕司 熊本大学, 総合情報統括センター, 教授 (40198164)
鈴木 克明 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (90206467)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学習支援 / 遠隔学習 / 看護師 / 特定行為研修 / 継続教育 |
研究実績の概要 |
本研究では,看護職の遠隔学習を促進・継続させるための最適な学習支援プログラムを構築することを目的とした.初年度である2019年度は,【a】看護職の遠隔学習時の課題の把握,【b】遠隔学習支援プログラム案の作成とエキスパートレビュー,【c】遠隔学習支援プログラムの運用と評価を実施した.まず,【a】看護職の遠隔学習時の課題の把握に関して,学習管理システム(Moodle)に記録されたログイン件数,質問内容を分析した.当時に,遠隔学習を行う有職看護師159名に遠隔学習に関するアンケートを実施し分析した.また,学習者の遠隔学習に対する適応状況を学習成績と学習期間の延長率で評価した.その結果,特定の曜日,朝,正午のログイン件数が学習成績に影響することが明らかになった.学習期間の延長に関しても同様に,ログイン件数に影響することが明らかになった.遠隔学習時に生じる課題として多かったのは,課題の提出方法が分からないこと,学習計画が立てられないこと,学習者間の交流が少ないことであった.これらの点を考慮し,【b】遠隔学習支援プログラム案を作成した.遠隔学習ならびに自己調整学習に関する研究者によるスパートレビュー受けた後,遠隔学習を行う有職看護師30名に対し,遠隔学習支援プログラムを運用した(【c】)遠隔学習支援プログラムの実施により,学習者は自己の自己調整学習方略を把握した上で学習計画を立案し,推敲する習慣が付いたことが,学習計画立案状況ならびに学習計画の修正状況,学習計画立案時のアンケート記述内容から明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年3月に【c】遠隔学習支援プログラムを運用し,その後,学習計画立案状況や学習計画修正状況の分析を終えた.また,学習計画立案時のアンケートの形態素解析も終了している.成果報告も英語論文1本,日本語論文2本投稿し,うち2本は採録されており,進捗は予定より早いといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,【c】遠隔学習支援プログラムの運用後の看護職の学習状況を1ヶ月ごとに分析し,時期ごとに生じるトラブル(テクニカルなトラブル,自己調整学習能力に関するトラブル,メタ認知に関するトラブル)を抽出し,中・長期的に活用可能な遠隔学習支援プログラムに発展させる.また,現在Moodleにて遠隔学習支援プログラムを開発しているが,Moodle以外の多くの学習管理システムにて活用できるようにAdobe Captivate等を用いる.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で,2020年1月以降の打ち合わせ及び学会参加・発表が中止になったため,予算額よりも使用額が少なくなった.事態の改善に伴い次年度以降再開される学会での発表を実施する.
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