研究課題
基盤研究(C)
看護職の遠隔学習の機会は増加したものの,看護職の中には遠隔での学習に対する適応が困難であり,進捗が滞る,もしくは,学習を止めてしまうこともある.そこで,本研究では遠隔学習を実施する看護職の学習傾向を分析した上で,学習に必要なコンピテンシーを涵養するためのトレーニングコースを,デザイン研究のプロセスに沿って開発した.その結果,トレーニングコースを受講した看護職の遠隔学習でのドロップアウト率が低下し,また,オンライン学習に必要な情報通信技術を活用するリテラシーの向上,学習計画の立案と修正に関する能力の向上が見られたことが明らかになった.
遠隔学習,学習支援
本研究では,看護教育に加えて,教育工学や情報工学の観点からプログラム開発を行った点で独自性がある.構築した学習支援プログラムは,当初予定していた看護職の復職支援,地域・へき地医療や在宅医療に寄与する看護職への学習支援になるだけでなく,新型コロナウィルス感染症の影響を受けて拡大した看護職の遠隔学習に対するニーズに合っていた.また,看護職だけでなく同様の状況が推察される他の医療職への適応も可能である.