研究課題/領域番号 |
19K10792
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
會津 桂子 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (90436014)
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研究分担者 |
藤田 あけみ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30347182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護学教育 / アセスメント / 問題解決 / 臨床判断 / コンセプトマップ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知心理学領域の問題解決理論に基づき、コンセプトマップを用いて看護学生の知識をアセスメントに用いられやすい状態に構造化させ、そのうえでシミュレーション教育を行い知識の用い方を教育する新規のアセスメント教育プログラムを構築することである。本教育プログラムでは、より多くの知識を活用して患者情報を総合的に捉えたアセスメント能力の向上を図る。 本研究では、昨年度まで検討した、コンセプトマップを用いたアセスメント教育の方法をシミュレーション教育に応用する新規のアセスメント教育プログラムを考案する。 令和元年度はシミュレーション教育方法の構築を目指して、看護学教育におけるシミュレーション教育の現状や課題を文献検討により精査した。また、国内のシミュレーション関連の学会、研修に参加し、シミュレーション教育におけるシナリオ作成やファシリテーション等に関する知見を広げた。具体的には、シミュレーション教育を実施している指導者の実践発表の場である「National Simulation User Network」に研究分担者と共に参加し、シミュレーション教育の構成や実施方法に関する知見を広げた。また、自大学で実施された「看護シミュレーション教育指導者養成 ベーシックコース」においては講師の一人として参加した。主担当の東京医科大学教授らは、看護学教育におけるシミュレーション教育に関する長年の実績があり、それら指導者との情報交換を行った。また、共同で講習会の実施運営を行い、演習においては参加者のシミュレーション学修がより効果的に進むように支援し、シミュレーション教育の実施方法や参加者の動機付けの方法などを具体的に学んだ。 上記の知見を踏まえ、新規のアセスメント教育の方法を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の計画通りに文献検討や情報収集の実施は遂行できた。しかし、研究者は急病のため研究活動を含め職務を一旦停止せざるを得ない状況となった。2019年10月より2020年3月下旬まで研究活動に従事することが不可能であったため、進捗状況に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はコンセプトマップとシミュレーションを用いた新規のアセスメント教育を実施する予定である。対象は看護学専攻学生で、臨地実習開始前の2年次生(1年次に解剖生理学等の基礎医学的な講義は履修済みであり、3年次に、看護過程を実践する臨地実習が控えている)とする。教育プログラムは主に、コンセプトマップを用いた事前学習、シミュレーション演習、コンセプトマップを用いた、シミュレーション演習の振り返りで構成する。引き続き教育方法に関する精査やシナリオ作成等を実施し、教育プログラムを考案する。教育介入の実施は対象学生の学修進度を考慮して令和2年度後期とする。令和元年度に遅れが生じたが、令和元年度分は教育介入実施前に遂行可能であり、令和2年度の研究計画は遂行できる見通しである。昨今の社会情勢を鑑み、学生が個々に実施することも考慮に入れて実施方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の急病により、今年度計画していた教材作成を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。また、資料整理の補助のために予算を計上していたが病気により実施できなかった。次年度は、引き続き教材作成を行い、次年度配分の研究費でアセスメント教育を実施する計画である。
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