コンセプトマップとシミュレーションによるアセスメント教育プログラムの構築

2021 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K10792
• 研究機関: 弘前大学
• 研究代表者: 會津 桂子 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (90436014)
• 研究分担者: 藤田 あけみ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30347182)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 看護学教育

研究実績の概要

本研究の目的は、知識の用い方を教育する新規のアセスメント教育プログラムを構築することである。教育プログラムは、認知心理学領域の問題解決理論に基づき、コンセプトマップを用いて看護学生の知識をアセスメントに用いられやすい状態に構造化させ、そのうえでシミュレーション教育を行い、より多くの知識を活用して患者情報を総合的に捉えたアセスメント能力の向上を図る。
令和3年度は、令和2年度に教育介入を行った学生を含む学年の全学生80名を対象に、約1年間の臨地実習を含む学習終了時でのアセスメント理解度の調査を行った。教育介入に参加した学生と、参加していない学生のアセスメント理解度を比較し、教育介入の有効性を検討した。
さらに、令和2年度の教育介入の効果を精査し、見出された課題を解消すべく、教育プログラムの内容を修正し、実施した。令和3年度2年次学生のうち、自主的に参加意思を表示した25名の参加者（介入群12名、コントロール群13名）に対し、令和2年度同様の方法で修正した教育介入を実施した。教育介入の内容は、関連図を作成して知識を整理する勉強会と、それらの知識を用いて患者からの情報収集とアセスメントを行うシミュレーションから構成した。介入群への介入前後で、全参加者を対象に、プレテスト・ポストテストを行い、アセスメント能力を調査した。ポストテスト後に、コントロール群に対して、介入群同様の教育介入を実施した。
プレテスト・ポストテストの結果から教育介入前後の比較を行い、ポストテストの結果からは介入群とコントロール群の比較を行い、本教育介入の、アセスメント能力向上への効果を検討した。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度に教育介入を行った対象者に対し、約1年間の臨地実習を含む学習終了時でのアセスメント理解度の調査を行った。さらに、令和2年度に行った教育介入の効果を評価し、教育プログラムの修正を行い、令和3年度にも対象学年の学生に教育介入を実施した。授業等の学修の影響を排除するため春季休業中に行ったため、教育プログラムの評価が実施できなかったが、今後は教育介入によるアセスメント能力の変化を精査する。
今年度計画していた調査を実施し、本教育介入の長期的な効果の精査を一部実施した。
さらに、修正した教育プログラムを用いての教育介入が実施でき、令和3年度の研究計画は遂行できた。

今後の研究の推進方策

令和3年度までの教育介入、アセスメント理解度の調査結果に基づき、今後は教育介入前後のアセスメント能力の変化や、介入群と非介入群の比較、教育介入と臨地実習との関連等を精査し、論文執筆・成果発表を行う計画である。

次年度使用額が生じた理由

今年度計画していた調査が実施できたため、その調査をもとに分析も一部実施した。しかし部分的にしか分析できなかったため、分析に必要な研究費として次年度使用額が生じた。
次年度は出来なかった分の分析を次年度使用額を使用して行う。