研究課題
近年如何に女性の健康寿命を延ばすかは保健医療政策上の重要な課題である。本研究は、病気につながる危険因子に焦点をあててそれを排除しようとする発想ではなく、なぜ人々は健康でいられるのかという健康因子に焦点を当てた健康生成論(Salutogenesis Theory)を応用し、デザインした。研究は、(Ⅰ)青壮年期の女性を対象にし、個別な身体の不調と生活実態の関係性を捉える個人生活を記録する「クローンモデル」を開発する、(Ⅱ)生活の変動による不調が起こった時、健康リフレクションを支援するアプリを開発する、の2段階で構成する。結果:研究(I)1)30~50歳代で、頭痛、肩こり、腰痛、不眠の不定愁訴を持つ女性、関東地域5名、東北地域12名から研究協力が得られた。しかし、コロナの収束が見えない中、直接対象者と対面で良導絡を測定することが難しくなり、研究(Ⅱ)アプリの開発までに至らなかったが、そこで、1、2年目に収集したデータを整理・分析した。関東地域よりも東北の対象者の方が良導絡の平均値が高い傾向にあった(関東:東北1回目15:41,2回目26:48)。良導絡研究所に掲載された説明によると東北の対象者の元気度が高かった傾向にあると言える。その成果を第33回Sigma Theta Tau国際学術学会に演題として登録し、採択された。また、対象者個々の生活の特徴を捉え、データの提示によって個々の人の生活のあり方がどのように身体面に影響を及ぼすかを時系列に沿って振り返ることをした。しかし、このような支援方法は研究者の解析に頼る傾向が強いことが明らかになった。即ち、データは研究者の視点によって整理・分析された形態にとどまっていると言える。そこで、対象者にとってもわかりやすく、対象者自身が活用できるような手法を取り入れる必要があると気付いた。その構想を図式化し、R5年度の研究補助に応募した。
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