研究課題/領域番号 |
19K10794
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
近藤 暁子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (70555424)
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研究分担者 |
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
大木 友美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (60383551)
大田 えりか 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40625216)
杉本 敬子 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (50700548) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | perceived control / nursing students / preventive behaviors |
研究実績の概要 |
この研究では、COVID-19パンデミック時の日米の看護学生の間で、コントロール感、感染予防行動を比較し、コントロール感および感染予防行動に関連する要因を比較した。日本の4つの大学と米国の3つのキャンパスを持つ公立大学に通う学部生と大学院看護学生の横断的比較研究である。日本の学生739人、米国の学生139人、合計878人の学生からのデータを分析に使用した。コントロール感は、年齢、性別などの基礎情報を考慮しても、日本人学生のほうが低かった。しかし、日本人の学生は、コントロール感、主観的健康管理能力、年齢、性別、学部生か大学院生か、勤務程度(フルタイム、パートタイム、勤務なし)、アルコールの使用、慢性疾患の有無を考慮しても、感染予防行動が高かった。両国の学生とも、コントロール感が高い学生ほど感染予行動が高かったが、日本人学生のほうが関連性が弱かった(日本ではβ= 0.154、米国では0.314)。日本の学生では、所属大学が予防行動を一番大きく関連していた(調整済みR2 = 0.037)のに対し、アメリカの学生の中では、性別(女性のほうが感染予防行動が高い)という個人要因が最も高く感染予防行動に関連していた(調整済みR2 = 0.046)。感染を効果的に防ぐためには、さまざまな背景を持つ人々に文化的に固有の対策を推奨する必要がある。日本では政府、大学などからの組織的アプローチが有効である可能性があるが、米国では、男性の学生などのリスクの高いグループを対象とした個別のアプローチが効果的である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日米でデータ収集が終了し、日本の学生のみを対象とした論文が発行された。日米の学生を対象とした比較研究の論文は現在投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの影響で国際学会や海外出張が実施できなかかったため、1年延期して、インドネシアの看護学生も含めた追加の調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で国際学会や海外出張が行えなかった。ワシントン大学の回収率が低かったため対象者への謝金の使用額が低くなった。
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