研究課題/領域番号 |
19K10797
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西村 正広 鳥取大学, 医学部, 助教 (10389017)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 足浴 / 皮膚温 / 血流量 |
研究実績の概要 |
災害後における深部静脈血栓症(DVT)予防を国の防災計画に盛り込むべきであると言われている.また近年災害などによる避難所生活を余儀なくされる場面が非常に多くなっている.これまで,静脈血栓症や浮腫の予防・改善として着圧タイツ等の使用という対策が取られてきているが,大規模災害時においては,それらの絶対数が不足することが予想され,それらに代わる,もしくは併用できる簡便かつ効果的な手段や方法の検討が急務であると考える.先行研究では,エクササイズによる血流の増加などが,血管内皮機能改善に関連する因子として挙げられている.これらの結果から,足浴による血流動態の変化においても複合的理学療法あるいは着圧タイツと同様に血栓症予防,局所性浮腫の予防・改善に効果が期待できるのではないかと考えた. 下肢血流に影響を与えると考えられる足浴及び軽運動が,血栓症,局所性浮腫の予防・軽減に効果的な一手段となり得るかについて検討する予定である.今年度は実験遂行が困難であったため,実験で用いる用具,測定機器,測定方法についての検討を行っている.具体的には,下肢の循環動態を検討するために使用する予定である皮膚温計,皮膚血流計,下肢血流量測定の方法について検討している.また感染予防対策としての測定環境の整備に関しての情報収集や検討も行っている.換気や飛沫など感染リスク軽減に関すること,対象者の心理的負担を軽減させることを考慮すると,実験室内の滞在時間を短くする必要があると考えられることなどから,再度測定条件および方法などに関する検討が必要であると考える. 専門家にも指導いただき測定精度,感染予防対策を高め実験を進めて行く予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全ての研究者においても同様であると考えるが,想像をはるかに超える新型コロナウイルス感染拡大による影響を大きく受けた1年であった.研究活動を進めることのできない時期,どこまで感染防止対策を行えば安全に遂行できるのか,このような状況下で対象者の心理的負担等の有無など検討すべき点や問題となる点が多数あったため.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で研究を行うために最大限感染リスクを減らした状態で遂行する必要があると考える.測定者・被験者の検温,健康観察をはじめ,飛沫対策,実験機器等の消毒の徹底を行い,実験を行う環境に対して専門家のアドバイスや研究者の意見を取り入れてより安全な状態で行えるように環境を整備する. 必要最小限の人数,滞在時間を減らす対策を講じるが,実験が行えない期間が増加すれば測定条件を減らすなどの検討も必要になる可能性も考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった学会に参加できなかったため.また,予定通り実験を進めることができなかったため. コロナ禍でも実験を進めることが可能となれば,計画に基づき使用できるものと考える.
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