研究課題/領域番号 |
19K10800
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
首藤 英里香 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (90336412)
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研究分担者 |
武田 利明 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (40305248)
大日向 輝美 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30223944)
中村 円 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (10737505)
飯澤 良祐 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (30813901)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 床上移動 / 移動補助具 / 移動援助 / 身体角度 / 自律神経活動 / 看護技術 / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
本年度は研究Ⅱの結果を再度整理し、考察を深めて学会での発表を行った。研究Ⅱは上方移動援助を条件1「補助具なし」、条件2「補助具の挿入を頭側から行い介助ベルトを用いて援助」、条件3「補助具の挿入を手前側の側臥位で行いベッド側方から援助」で健康な高齢者10名の患者役に実施した際の頸部後屈角度・自律神経活動の測定および主観的調査を行い、準備期・実施期・終了期で分析した。頸部後屈角度では、準備期で条件3が条件1・2より大きく、実施期で条件1より条件2・3が大きかった。自律神経活動では、条件間に差は認めなかったものの、各期の比較で条件3の準備期におけるLn LF/HFが実施期よりも大きい値であった。主観的評価では、実施期で条件1と条件2・3の間で有意差が認められ、補助具なしより補助具あり2条件で得点が高かった。 研究Ⅰ・Ⅱの結果から補助具を用いた上方移動援助技術について、1)スライディングシート使用による安楽性は、健康成人だけでなく高齢者も同様であった、2)頭側からの援助では、シートを蛇腹折りとして挿入し介助ベルトを使用することで対象者を安楽に援助できる、3)側方からの援助においてシート挿入は手前側の側臥位とし、側方から肩と下肢を支えて援助することで対象者を安楽に援助できるが、側臥位時は頸部への負担があり交感神経活動が刺激されることから、対象者の状況等に応じて選択する、4)シートを用いた上方移動援助では、頸部が後屈することを加味して準備期に少し前屈気味にしておくこと、さらに上方への移動後は速やかに頭頚部および体軸の位置を整える必要がある、5)シート除去は仰臥位の状態がより負担が少ない方法であることが明らかになった。 これらの結果に基づいて、「補助具を用いた移動援助の技術」について看護基礎教育におけるe-learningを活用した教育的介入で用いる動画教材等の内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は研究Ⅱの結果を整理し考察を深めて学会発表を行い、さらに研究結果に基づいて動画教材の内容等に関する検討を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、これまでの研究結果について論文投稿を行う。さらに、その内容を踏まえて看護基礎教育で活用していくための動画教材等の作成、e-learningを用いた教育的介入の実施および評価のためのデータ収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の支出が予定よりも少なかったため。次年度予算と合わせて、論文投稿および教材作成に係る費用として使用する予定である。
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