研究課題/領域番号 |
19K10804
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
長谷川 智之 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (40588183)
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研究分担者 |
齋藤 真 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (70178482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 点滴 / 固定方法 / 強度試験 / 事故抜去 |
研究実績の概要 |
今年度は、剥離試験機を使用した点滴固定の物理強度試験を実施した。前年度の数量化理論Ⅲ類の結果から、点滴固定を構成する固定方法を強度試験の対象とした。強度試験の対象は、ドレッシング材、留置針接続部固定、サージカルテープの切れ込み、ループの形状として、垂直方向の牽引および水平方向の剥離および牽引を行い、粘着強度を測定した。実験の結果、点滴の固定方法は、牽引および剥離方向に対して強弱があることを認めたため、各方向に対して強度が担保できる方法を検討する必要性を見出した。また、次年度行う実験の予備実験として、点滴の事故抜去に着目し,事故状況を再現することで要因および解決策を検討し事故抜去予防の一助とすることを目的に、事故再現実験を実施した。実験は,一般病床におけるポータブルトイレ移乗時の事故抜去状況(ベッド・ベッド柵・点滴棒・ポータブルトイレ)を再現し,実験参加者は患者役として左前腕に点滴を固定した.実験条件は,ポータブルトイレの位置(患者の頭側を基準として0°,90°,180°)および患者の回転(時計回り(以下:R),反時計回り(以下:L))の組み合わせ6条件として,各条件においてベッド-ポータブルトイレ間の移動を5回行い,ポータブルトイレに座る際にはスラックスのみを脱いでもらった.結果から、ポータブルトイレの位置と回転の組み合わせによって点滴の衣服への巻き込み,身体部位への引っかかり,固定しているテープが剥がれるのを防止できることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度の実験に着手できたことから順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
強固な固定方法による計画外抜去予防の検討を達成するために、模擬患者10名を対象とした実験を行う。模擬患者を対象とした実験は、強度試験の結果から検討した固定方法を、模擬患者の左前腕に貼付する。この状態で、計画外抜去を模擬的に再現(カテーテルを引っ張る、ベッド柵に絡まるなど)し、実際に抜去にかかる時間および抜去の過程について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大型備品の購入が一点不要となったため。
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