研究課題/領域番号 |
19K10812
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
櫻井 順子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (80838681)
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研究分担者 |
小林 弘幸 順天堂大学, 医学部, 教授 (50245768)
川崎 志保理 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10204710)
山本 宗孝 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50338414)
鵜澤 久美子 (桑江久美子) 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (50635167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 働き方改革 / 看護師 / ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療従事者の働き方改革の推進である。まず予備実験として、医師対象に同実験調査項目に対する実験を行った。 研究対象者全員へ午前8時/午後6時に自律神経測定および唾液採取を行い、午前8時に研究対象者全員へ「年齢」「性別」、研究対象者のうち医師へ「勤続年数」「連続勤務日数」「スケジュール」をヒアリングした。測定・採取した項目について、勤務中の医師(外科群)、勤務中の医師(内科群)、休日の医療従事者(コントロール群)で朝・夕・朝夕の差を一元配置分散分析および分散のないt検定で比較した。ならびに勤務中の医師の業務別および連続勤務日数別で群に分け、一元配置分散分析で比較した。 診療科別もしくは、勤務中か否かでは、検査項目のうち、【唾液採取(Oxytocin):外科群+コントロール群での比較、内科群+コントロール群での比較】、【自律神経測定(LF(低周波数)):外科群+内科群+コントロール群での比較、外科群+コントロール群での比較】で有意な差がみられた。(p<0.05) 研究の結果、いくつかの群では有意な差はみられたものの、外科群と内科群での比較では有意な差はみられなかった。これは、医師の科特有の業務内容ではストレスには大きく影響はない可能性が示唆される結果となった。 また、コントロール群との比較においても、診療科にかかわらず医師のストレス指標のデータの方が低値であった。必ずしも業務がストレスとなっているとはいえない可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備実験・本実験ともに使用予定であった自律神経測定用生体センサーに重大なエラーが見つかり、代替となるセンサーの検索に時間を要した。結果として、経時測定可能なセンサーは見つからず、唾液採取と同様に定点での測定に方法を切り替え、予備実験を開始した。 予備実験について完了し、2019年度末より本実験を開始予定であったが、その後COVID-19の流行により新規実験開始が困難であることから、進められていない。 COVID-19の流行が落ち着き次第、研究を再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
予備実験によって、医師においては業務の日数によるストレスが生化学的な数値に影響を及ぼすことはないことがわかった。ただし、勤務中の多忙な医師に対して生化学的実験の協力を得ることは非常に困難であるが、本実験参加による所要時間は最長でも1人30分程度 であり、大きな負担とはならなかった。よって、今後より多くの医療従事者による参加が見込める。 看護師の日勤と夜勤でのストレスの差を調査するにあたっては、より多くの被験者に対して実施することが可能と考えられる。本研究の成果によって、本質的な「医療従事者の働き方改革」提唱の一助となると考えられるが、あくまでも現状の把握であり、ストレス低減に関わる介入には至らないため、実現可能かつ簡易的な方法でのストレス介入方法を検討していくことが課題となると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初2019年度内に実施予定であった実験がCOVID-19の流行により実施できず、試薬の購入が不要となったため
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