研究課題/領域番号 |
19K10812
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
櫻井 順子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (80838681)
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研究分担者 |
小林 弘幸 順天堂大学, 医学部, 教授 (50245768)
川崎 志保理 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10204710)
山本 宗孝 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50338414)
鵜澤 久美子 (桑江久美子) 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (50635167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 働き方改革 / 看護師 / ストレス |
研究実績の概要 |
本研究は、医療従事者のストレスに対する客観的評価方法の提案である。看護師に対するこれまでの疲労評価方法は、アンケート等による主観的な評価や身体の疲労を測定したものが多く、客観的で簡便な評価方法が求められている。近年、非侵襲的で簡便に採取できる唾液に着目し、疲労とストレスの生理学的な評価方法が注目されている。唾液成分と自律神経機能を指標とした、看護師の疲労およびストレスに対する客観的評価は、看護師の労働が身体にどのように影響しているかを明らかにすることを目的としている。また、夜勤帯看護師のストレス原因として、長時間による勤務が最大の要因であるのか、時間帯によるものなのか、もしくは変調をきたす要因となるストレスイベントがあるのかも合わせて検証していく。 2021年度も、COVID-19流行下により現場の看護師に対する研究が実施できていないが、COVID-19流行が看護師を含む医療者への心因的な影響を及ぼしたインシデントの発生状況について検証した。 COVID-19流行が医療者側の要因となるインシデントは発生していなかったが、2020年度以降、外来患者の転倒が多く発生しており、その原因として「(遠方や別世帯の)付き添い者の不在」「自粛や活動制限に伴う身体機能の低下」があげられた。そこで当院では、フレイル予防となる教育動画の作成およびその案内となるリーフレットを各診療科外来へ配置し、患者教育を行った。今後、付き添い者への教育も検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度と同様、COVID-19流行下により、唾液を摂取しての実験参加を広く呼びかけることが難しく、看護師のストレス評価には至っていない。 感染状況やCOVID-19の業務への影響も落ち着いてきたことから、研究期間を延長し、2022年度再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
看護師の日勤と夜勤でのストレスの差を調査するにあたっては、多くの被験者に対して実施することが可能と考えられる。本研究の成果によって、本質的な「医療従事者の働き方改革」提唱の一助となると考えられるが、あくまでも現状の把握であり、ストレス低減に関わる介入には至らないため、実現可能かつ簡易的な方法でのストレス介入方法を検討していくことが課題となると考えられる。 2020年度実施したような被験者に意欲的に参加いただけるような介入方法を検討していく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れているため次年度使用が生じたが、次年度は唾液採取キットやデータ保管用器材(鍵付き棚など)の購入に充てる予定である。
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