研究課題/領域番号 |
19K10817
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
片山 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (60295772)
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研究分担者 |
山口 晴美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (00750506)
片山 修 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20295778)
久米 弥寿子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (30273634)
上田 記子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (40757217)
阿曽 洋子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80127175) [辞退]
川原 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90835472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 染除去 / 筋負担 / 関節可動域 / 指圧 / 洗浄力 |
研究実績の概要 |
本研究では、洗浄による汚染の除去を可視化し、清潔動作のセルフケア能力を客観的かつ簡易に判断できるアセスメントツールを開発することを目的としている。(洗髪を研究対象とする。)今年度は昨年度行った予備実験の結果をもとに本実験のプロトコルを修正し、予備実験と本実験を行うことを当初の予定していた。しかし、COVID-19の影響により、人を介した実験が困難となり、実験が停滞した。今回の概要では、次の実験段階に活用するプレテストの試行についての報告とする。 昨年度行った予備実験の結果、汚染除去の評価項目であるATP値にばらつきが見られたので、評価項目に細菌数を加えることを共同研究者間で協議した。実際の実験にはまだ使っていないが、この手法を評価に用いることができるかどうかの研究グループ内でのプレテストでは、現段階で評価可能であるということが分かった。今後の実験で細菌数を評価項目に加えることになった。 汚染除去に必要な動作に関しては、座位での洗髪動作施行時に洗髪時に使用する上半身の関節可動域の測定を行った。頸部の屈曲の大きさにより洗髪に必要な肩関節の可動域が変わるため、洗髪時の被験者1名の頸部の屈曲0度の時と最大頸部屈曲45度のときの肘関節の屈曲、肩関節の内転、外転、屈曲、伸展、外旋、内旋について調べた。その結果頸部の屈曲はどの角度でも肘関節の屈曲は約110度。肩関節は頸部0度の時屈曲が110度、頸部45度の時肩関節の屈曲は85度であった。いずれの頸部屈曲時も内転が0度の時内旋が55度の可動が必要であった。これは、1名の結果であるが、組み合わせにより洗髪動作が可能かどうかが分かるため、アセスメントツールの項目として活用できると考えられた。今後は、精度を上げるために複数名の測定でアセスメントツールの項目とするための検討をしていく。 以上のことをもとに次年度は実験を行っていくこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は前年度の予備実験をもとに実験内容を練り直し、さらに健常者に通常の洗髪方法で洗髪時に汚染が除去できている状態を測定し、そこから指圧力を段階的に低下させていき、汚染が除去できる最低の指圧力や筋収縮、運動機能の条件を特定する予備実験と本実験を行うことを当初の予定としていた。しかし、感染症の影響で、外部から被験者を募り、予備実験、本実験を行う予定が立たなかった。また、感染症が少し収まり、実験を再開させるべく計画をしたが、延期になっていた学部教育(臨地実習や授業)の対応に大きく労力の比重がかかり、被験者募集と実験を行う日程が合わず、実験を集中的に行う時間を確保することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、感染症が収まったころを見計らって被験者を募り実験を行うべく計画が、教育への対応が優先されたために準備していても実験の時間が取れなかったり、被験者との時間調整が難しかったため頓挫ということになった。次年度以降は感染症に準じた教育への対応が今年度よりは見通しが立ちシステムとして整ってくると予想されるので、長期研究計画をたてて、現在滞っている汚染除去時に必要な動作と力についての計測を完了させると同時に次の段階の検討事項であるアセスメント項目の作成を行っていくようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、人を介した実験を予定していたが、感染症の蔓延により被験者を集めて実験を行うことができなかったために、使用を予定していた人件費が未執行となった。また、実験に必要な物品費等が執行されなかったため、次年度に繰り越しとなった。次年度は、今年度行えなかった実験の試行に必要な人件費や物品費に加え、学会発表準備等の経費として使用する予定である。
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