研究課題/領域番号 |
19K10819
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
倉岡 有美子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30584429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護師長 / 看護管理者 / マネジメント理論 / 経験 / 学習プログラム |
研究実績の概要 |
文献検討を重ね、看護師長のための「マネジメント理論と経験を結びつける学習プログラム」(以下、プログラム)を開発した。そして、本プログラムを実施し、実施前後でデータ収集を行うために、本研究の研究者が所属する大学の研究倫理審査委員会にて承認を得た。さらに、研究協力機関であるA県看護協会より、本プログラムの実施と効果検証のためのデータ収集について承認を得た。 2019年9月に、A県看護協会認定看護管理者教育課程セカンドレベルの受講者を対象に、研究の説明を行い、18名の協力を得た。2019年9月から2020年2月まで、プログラムを実施し、プログラム前後でデータ収集を行った。プログラムの内容は、①参加者によるリフレクション・ペーパー(教育課程で学んだ理論を自分の看護管理実践に応用して考察するレポート)の記述(計6回)、②研究者によるリフレクション・ペーパーへのフィードバック、③参加者と研究者によるグループディスカッション(理論と経験の結びつけをシェアする会、計2回)であった。 データ収集として、プログラム前後で、参加者の看護管理実践能力について看護師長コンピテンシーインベントリー(日本語版)(坂本ら, 2016) にて測定した。現在、分析中である。また、参加者が記述したリフレクション・ペーパーの内容について、質的記述的に分析した。リフレクション・ペーパーの内容の分析結果は、2020年8月の日本看護管理学会学術集会にて発表予定であり、現在、論文投稿の準備を進めている。 これまでに、看護師長を対象とする「マネジメント理論と経験を結びつける学習プログラム」は存在せず、本研究にて、プログラムの開発とその効果の一部を測定できたこと、また、プログラム参加者が記述したリフレクション・ペーパーの内容を明らかにできたことは、非常に意義があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定では、2019年度は、プログラムの試行の予定であったが、プログラムが完成し、試行をせずに実施することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、プログラムの効果を検証するために、対照群に対して質問紙調査を実施する予定である。対照群とは、2020年度のA県看護協会認定看護管理者教育課程セカンドレベルの受講者であり、セカンドレベル参加前後で、看護師長コンピテンシーインベントリー(日本語版)(坂本ら, 2016) への回答を得る予定である。この結果と、2019年度の介入結果とを合わせて、群間差について分析し、本プログラムの効果を検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、プログラムの教材として、技術者とWeb版のリフレクション・ペーパーの開発を行う予定であったが、既存のシステムで代用でき、開発する必要がなくなったため。 次年度使用額は、本プログラムの効果を検証するために、2020年度に実施する対照群への質問紙調査に使用する予定である。
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