研究課題/領域番号 |
19K10820
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
近藤 浩子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40234950)
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研究分担者 |
近藤 由香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (00369357)
中村 美香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10644560)
辻村 弘美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (70375541)
吉田 亨 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (80174936)
秋山 美紀 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10434432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 援助要請行動 / 援助要請スキル / アサーティブ / 臨地実習 / 若手看護師 / セルフコンパッション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,安全な医療を提供し,かつ就業意欲を高めるために若手看護師の援助要請行動を促進する要因を明らかにすることである。 2021年度の研究課題は,看護学生および若手看護師の援助要請行動を促進する教育プログラムを作成することであった。しかし前年度までに実施予定であった「看護学生および若手看護師の援助要請行動を促進する要因を特定するための調査」がコロナ禍の影響で,実施できていない。よってこの調査はペンディングとして,先に,援助要請行動に関連すると予測されるコミュニケーション能力を向上させるためのプログラム作成を試みた。このプログラムを就職1年目の新人看護師の研修会で実施し,プログラムについて自由記載で参加者からの評価を得た。なおこのプログラムには,先行研究の知見から,援助要請行動の促進に関連すると考えられるセルフコンパッションの技法を取り入れた。 これとは別に,教育プログラム作成に必要な情報を得るため,セルフコンパッションに関する文献を集約し,看護学生を対象としたセルフコンパッション,および看護師を対象としたセルフコンパッションに関する文献検討を行った。セルフコンパッションに関する先行研究の概観から,セルフコンパッションは看護学生に,燃えつきの予防,不安・抑うつの軽減,思いやりの能力・思いやりのある行動,レジリエンスなど,様々な利益をもたらす可能性が示された。しかしセルフコンパッションのトレーニングそのものを,看護学生を対象に実施した研究報告は,英文献1件のみであった。 以上の結果から,看護学生および若手看護師の援助要請行動を促進する方法のひとつとして,セルフコンパッションを導入することは有用と考えられた。しかし実践報告がごくわずかで,本研究の教育プログラムの作成の資料となる既存の知見はまだ少なく,教育内容については十分な吟味が必要であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で,看護学生の臨地実習が実施できず,病院への立ち入りも制限されたため,看護学生および若手看護師がどのような状況で援助要請に困難さを感じるのかに関する調査が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナによる感染状況は改善されつつあるので,調査の再開を目指して計画を再考するとともに,援助要請行動を促進すると考えられるセルフコンパッションを用いた研修も同時並行で実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
看護学生及び新人看護師を対象とした調査を実施できなかったこと,また学会がオンライン開催のため交通費・宿泊費が不要となったことから,予定の支出が行われなかった。本年度は調査を実施する予定であり,さらに短期間での実施を予定していることから計画以上の支出が見込まれ,これらの経費は必要となると考えている。
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