研究課題/領域番号 |
19K10821
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
片山 はるみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90412345)
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研究分担者 |
鈴木 美奈 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40622824)
村松 妙子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90402255)
水嶋 好美 (青木) 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70781376)
鈴江 毅 静岡大学, 教育学部, 教授 (70398030)
中村 美智太郎 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20725189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 臨床倫理 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
目的:4コア・コンピテンシーと22コンピテンシーから成る「倫理的ケアのコンピテンシーを」これを用いて難易度ラダーが構成できるかを検証するために統計学的検討を行った。 方法:A市(地方中核都市)の中核病院の一つであるB病院に勤務する全看護職員(保健師・助産師・看護師)486名を対象とした無記名自記式質問紙による横断研究を実施した。質問紙は年齢、性別、看護職としての経験年数、最終学歴、看護倫理に関する学習経験の有無、所属病棟において身体拘束低減の取り組みをしているかの認識、からなる基本項目、倫理的ケアのコンピテンシー(22項目、5段階リッカート)等から構成された。コンピテンシーの合計得点(コンピテンシー得点)から算出した平均点の高低によって難易度が判断された。また基本項目との相関係数を算出した。 結果:392名(81%)から欠損の無い有効回答を得た。平均年齢は33.5(±9.6)歳、平均経験年数は11.2(±9.5)年であった。369名(93.4%)が女性であった。看護倫理に関する学習経験が「有る」と回答したのは210名(53.1%)であり、身体拘束低減への取り組みをしていると認識していたのは260名(65.8%)であった。22項目のコンピテンシーは、最も平均得点が高かった(3.77点)「患者・家族が大切なことを話せる関係性を作る」から最も平均得点が低かった(2.82点)「実践の中から倫理的な研究課題を発見・発信する」の間に分布しており、この2項目間には有意差が認められた(p<0.001)。コンピテンシー得点は、年齢、経験年数、学習経験、取り組みの認識と、有意に正の相関を示した(γ=0.22~0.32)。 結論:4コア・コンピテンシーと22コンピテンシーから成る「倫理的ケアのコンピテンシー」を用いて難易度ラダーが構成できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度、コンピテンシーを基盤とし、PDCAサイクルに乗せたた教育プログラムを実装したので、その効果の検証をしているところである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、研修などの活動が一時中断しているが、事態の収束の状況に鑑みて再開し、Web受講が可能なプログラムの構築なども検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ整理が予定していたよりもスムーズに進んだため、係る人件費が少なくてすんだため。
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