研究課題/領域番号 |
19K10824
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
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研究分担者 |
吉村 基宜 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (00781288)
鈴木 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20281561)
西田 乃生子 (山口乃生子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70381431)
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80381432)
宮部 明美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10708522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ピア評価 / グループ学習 / 相互評価 / 学習効果 |
研究実績の概要 |
ピア評価は、対人関係構築能力や洞察力の育成などを目的とし、多くの小グループ学習において実践されているが、その実態は明らかではない。2019年度は、ピア評価の効果的な活用のための基礎資料を得るため、小グループ学習法におけるピア評価の実施状況と課題を明らかにすることを目的とし質問紙調査を実施した。調査は、日本看護系大学協議会会員校および日本看護学校協議会会員校で小グループ学習法を用いている看護専門科目担当者向けに実施した。調査票の質問内容は、小グループ学習法を用いている看護専門科目の基礎情報、ピア評価を用いる理由、評価視点及び評価方法、ピア評価を実施する上でのメリットおよび課題などとした。 グループ学習法を用いている科目の分野・領域は、基礎看護学、成人看護学、母性看護学の順で多かった。グループ学習法の種類や形式は、話し合い学習法26.4%、チーム基盤型学習法13.0%、ジグゾー法9.4%など多岐にわたったが、特に該当する種類や形式がないという回答も17.8%あった。ピア評価は全体の26.4%が用いていて、その理由は「課題に対する思考の拡大や深化が期待できるから」「主体的な学習態度を促進できるから」、「コミュニケーションの能力が向上するから」などだった。評価方法は、定量的な評価72.6%、定性的な評価58.9%だった。実施のメリットとしては、「課題への関心が高まり、取組の意欲が増す」「客観的な自己評価につながる」「教員の見えないところで学生参加がわかる」などがあげられた。一方、課題については、「グループ間の平等性に疑問がある」「成績に反映させるかどうか」といったことがあげられた。2020年度は、グループ学習法の種類とピア評価の関連、ピア評価の目的と評価項目の整合性などについて詳細検討をすすめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度計画した調査が完了し、必要なデータを入手することができているので、詳細分析を進めていく。しかし、新型コロナ感染症による学内BCPによる研究業務への影響、調査対象者の獲得など、続く調査に関しては実施における調整が予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は看護教育に携わる教員を対象にしたデルファイ法による概念、方法論の検討を予定しているため、可能な限りの協力依頼のなかで、その他の方法を併用しながら研究計画を進めていきたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる支出が郵送調査に係る実費で、当初予定していた学会や調査による出張経費が、予定より支出が少なかった分を次年度の繰り越しとした。2020年度は成果発表等の出張経費等がかかる見込みがあり、これを使用する予定である。また、デルファイ法の対象者数や、一部方法論の修正がある場合は予算を再構成して使用する計画である。
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