研究課題/領域番号 |
19K10828
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
吉田 和美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (90461342)
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研究分担者 |
飯島 佐知子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (80389890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フォロワーシップ / リーダーシップ / 臨床看護師 / チームワーク / 継続教育 |
研究実績の概要 |
初年度は、フォロワーシップの概念に関する知見を整理した。フォロワーシップの語源をはじめ、過去のリーダーシップ研究やフォロワーシップ研究の中で、フォロワーがどのように語られてきたのかを先行研究より抽出し、概念整理をした。また既存のフォロワーシップ研究での知見は、一般職対象と医療従事者対象に分けてその内容を整理した。さらに、近接概念として見かけることの多い、チームワーク能力やメンバーシップに注目し、これらに関する先行研究での概念の取り扱いを確認し、フォロワーシップの概念との類似性・相違性を整理した。以上の内容に関しては、今後、論文作成し公表していく予定である。 知見の整理を踏まえて、本研究でのフォロワーシップの操作的定義を決定した。初年度の研究実施計画は、臨床看護師のフォロワーシップがどのような概念で構成されているのかを明らかにするためにインタビュー調査を実施することであった。先行研究における知見の整理により、当調査に使用するインタビューガイドを作成した。また、当調査を実施するにあたり、所属機関の倫理委員会の承認を得た。現在、プレインタビュー実施中であり、今後本調査に移行する段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、予定していなかった類似概念の知見の整理を追加した。また、コロナウイルス感染症拡大の影響により研究フィールドとなる医療施設での繁忙を考慮し、インタビュー調査への取り組みを意図的に緩徐に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査で得られた概念と、既存の研究から概念整理した内容から、アイテムプールを作成しフォロワーシップ尺度(案)を作成する。尺度(案)は、病院の教育担当の看護管理者と、大学院教員、大学院生での一致確認の2回の見識者によるチェックを行い、一致率の低い項目の削除をして項目の整理を行う。項目整理を終えた尺度案は、5年目以上の臨床看護師数名への思考調査と聞き取り調査により、更にチェックを受ける。これにより臨床看護師のフォロワーシップ尺度試作版の確定とし、プレテストを実施する。プレテストで項目と表現の修正をおこない、最終的には、臨床看護師のフォロワーシップ尺度原案とする。 臨床看護師のフォロワーシップ尺度原案を用いて、全国の臨床看護師を対象とした質問紙調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に実施を計画していたインタビュー調査は研究フィールドとなる医療施設での繁忙な状況を考慮し、次年度に延期とした。よって、インタビュー調査にかかる旅費、対象者への謝礼やデータの逐語録作成にかかる人件費の支出が次年度へと繰り越された。 コロナウイルス感染症の終息、または医療従事者の疲弊感が落ち着いたころに、取りかかる予定としている。
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