研究課題
ファインバブルを用いた医療器材および医療従事者の手指の洗浄・殺菌は、「簡便」、「安全」、「安価」な、新たな方法になる可能性が高い。一方で、ファインバブルを、トイレや衣類の洗浄・殺菌に応用した実用例はあるが、医療現場での洗浄・殺菌については実用報告がない。ファインバブルの医療機器や生体(手指)の洗浄・殺菌への応用は慎重に行わなければならない。そこで、本研究の目的は、『医療器材および医療従事者の手指の洗浄・殺菌に適したファインバブルの条件を決定する』ことを目的として研究を行い、ファインバブルの医療への応用を目指した。最終年は、手指衛生への導入を目指し、手指の常在菌に対するオゾンファインバブルの殺菌効果に関する実験を行い、オゾンファインバブル水は手指の常在菌の減少効果があることが示唆された。また、これまでの実験データの整理を行った。本研究では、①大腸菌に対するファインバブルの殺菌効果を検証した。コントロール(airが溶存している通常の水)、air-UFBを含む水、オゾン-ファインバブルを含む水、オゾンを溶存させた水の殺菌もしくは増殖抑制効果を検証し、オゾン-ファインバブルを含む水には、洗浄・殺菌効果があることが示唆された。②次亜塩素酸溶液にてファインバブル(airおよびオゾン)を発生させ、次亜塩素酸の増強効果について検証を行ったが、明確な効果は得られなかった。③オゾンファインバブル水は、手指衛生にも効果があることが示唆された。