研究課題/領域番号 |
19K10840
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
三木 明子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (30315569)
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研究分担者 |
篠崎 良勝 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (80405737)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 暴力対応 / 訪問看護師 / 訪問介護員 / トレーニング |
研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護師・介護員へのヒアリング調査・ニーズ調査を実施し、日本独自の訪問看護師・介護員のための暴力への対応のトレーニングプログラムを作成することを目的としている。 2019年度は、グループインタビューとしてヒアリング調査を実施した。A市の訪問介護員、B市の訪問看護師のいずれも管理者を対象にした。ヒアリング調査の結果、各事業所での対策の取り組み状況は様々であったが、複数の良好事例を認めた。 2019年10月、C県で3時間の研修を開催し、調査を実施した。研修に参加したのは18の事業所の管理者であり、C県内の約17%を占めた。全事業所が実施していた暴力対策は報告体制がある等で、多くの事業所が実施していた対策は、発生時の報告ルートが決まっている、相談できる職場の雰囲気になっている、管理者が相談できる相手がいる等であった。一方、対応マニュアルを定期的に更新している、全員に教育を実施している、緊急時対応への対策を講じている等の対策を実施している事業所はなかった。2020年1月、D市の訪問介護系サービスを提供している事業所において研修を2回開催し、計110名に調査を実施した。106名より回答があり(96.4%)、研修内容に8割以上が満足していた。研修ではロールプレイを含めたトレーニングを実施し、参加者からは好評であった。また、C県委託事業の訪問看護師・訪問介護職員安全確保・離職防止対策事業において「訪問看護・訪問介護事業所における暴力・ハラスメント対策マニュアル」を作成し、トレーニングマニュアルの基礎資料は作成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度予定のグループインタビューとしてのヒアリング調査は、予定通り実施した(A市は訪問介護員、B市は訪問看護師)。 質問紙のニーズ調査を実施するために、C県の訪問看護事業所の管理者を対象に研修を開催し、予定通り調査を実施した。C県の訪問介護員を対象に研修を開催し、予定通り調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護師・介護員への暴力への対応に関するトレーニング研修はニーズがあるが、新型コロナウイルス感染症の影響で、接触を伴うトレーニング内容を含む研修の実現は十分な感染症対策を講じても、開催時期が遅れることが予想される。また、訪問看護・訪問介護事業所は小規模事業所が多く、経営的に安定したサービス提供があってこそ、研修が実施できると考える。そのため、本年度は「トレーニングプログラムの作成」、「トレーニングマニュアル作成」、「ファシリテーターのための暴力への対応:手引きと解説」を先に作成し、訪問看護師・介護員への研修が実施できる状況まで準備を整えていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた研修会の開催回数が減り、調査実施ができない事業所もあったためである。2020年度は研修よりも先にマニュアル等を作成するため、印刷費を残している。また、研究分担者との打ち合わせのための出張はせず、旅費が不要となったこと、研究分担者自身の予算執行はなかったためである。
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