研究課題/領域番号 |
19K10846
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研究機関 | 福岡看護大学 |
研究代表者 |
梶原 江美 福岡看護大学, 看護学部, 准教授 (00389488)
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研究分担者 |
飯野 英親 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20284276)
小野 聡子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (20610702)
山本 祥正 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90444190)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ラテックスアレルギー / 天然ゴム / タンパク質フリー / バックキャスト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療現場でのラテックスアレルギーに関する現状を明らかにして、天然ゴムからタンパク質を除去したタンパク質フリー天然ゴム素材の開発可能性を探ることである。本年度は、天然ゴムラテックスアレルギーに関するヒヤリハットを含むインシデント報告の状況把握と医療機関で使用されている天然ゴムラテックス製手袋に含まれている溶出タンパク質量および窒素含有率について調査した。 ヒヤリハットを含むインシデント報告の状況把握では、米国ペンシルバニア州患者安全データベースから2014年~2016年の2年間で616件の報告があることが分かった。その内、7/544件はアクシデント事例だった。媒体で多い医療製材は、尿留置カテーテルが75%(408/544件)を占め、発生場所では、周手術期エリアが57.1%(352/616件)と多とかった。また、国内においては、医療事故情報収集事業に収められている2010年~2018年の事例を基に、医療事故4件、ヒヤリハット16件が報告されていることがわかった。いずれも知識不足や教育、管理体制が原因となっており、ラテックスアレルギーの対策には、依然課題が残されていることが確認できた。 医療機関で使用されている天然ゴムラテックス製手袋に含まれている溶出タンパク質量および窒素含有率については、改良ローリー法とケルダール法を用いてサンプル手袋9種の調査を行った。サンプル手袋は、現在も医療機関への納入実績がある天然ゴムラテックス製パウダーフリー手袋8種(手術用滅菌手袋7種、検査用未滅菌手袋1種)と現在は製造中止となっている天然ゴムラテックス製パウダー手袋1種(手術用滅菌手袋)であった。手術用滅菌手袋におけるパウダーの有無は、溶出タンパク質量や窒素含有率とは関係せず、手術用滅菌手袋に比べて検査用未滅菌手袋の溶出タンパク質量は高いことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
天然ゴムラテックス製手袋のタンパク質量の測定については、予定通りに進んでいるが、近年のラテックスアレルギーに関する情報収集に時間がかかり、医療従事者へのアンケート調査まで行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ヒヤリハットを含むインシデント報告の状況把握の結果から、媒体としては尿留置カテーテルがクローズアップされていることが確認できた。尿留置カテーテルは粘膜との接触となるため、曝露しやすく、カテーテルのタンパク質量の測定が可能かを検討する。また、医療従事者へのアンケート調査を行うとともに、天然ゴムラテックス製手袋の溶出タンパク質量の結果から手袋をつけた場合の手袋内環境にも着目して実態を把握していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
対面での打ち合わせ等、業務との関係で日程調整が難しく、電話およびメールでのやり取りで最小限に留めたことやアンケート調査を実施していないこと、専門書の選定が難しく購入できていないため使用額が少なかった。 次年度は、アンケート調査の実施と共に分析に必要なソフトの購入、タンパク質量測定などに必要な額を投じていく予定である。また、専門書の購入及び専門家の意見聴取に予算を充てていきたいと考えている。
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