研究課題/領域番号 |
19K10850
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
福録 恵子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (90363994)
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研究分担者 |
川中 普晴 三重大学, 工学研究科, 准教授 (30437115)
成田 有吾 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (50242954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サルコペニア / 骨折予防 / 運動器不安定症 / 高齢者 / デバイスフリーシステム |
研究実績の概要 |
本研究概要は、超高齢社会において世界的な健康課題であるサルコペニアを原因とする運動器不安定症(MADS)を対象とした転倒・骨折予防システムの開発に向けた基盤を確立することである。サルコペニアの発症、悪化を予測する、負担の少ないデバイスフリーセンシングを構築する必要性に応えるため、骨粗鬆症リエゾンサービスを活用して看工連携型で研究を進めるものであり、令和元年度は、①身体機能、②身体活動量、③環境関連要因、④主観的日常生活動作状況を縦断的にモニタリングし、ケア提供者と患者双方に有益となるセンシングの指標を見極めるため、予備調査を行い計画の微調整をおこなった。 運動器不安定症高齢者10名を対象に、体組成計(In Body@)、活動量計(Mothion Watch@)、環境センサ(Omron 環境センサ@)を用いて測定し、データ分析を行った。 対象者は、健康や活動に対する意識が高く、サルコペニア該当者は認めなかったが、部位別筋肉量は、両下肢ともに低値の者が多く、活動レベルでは、Sedentaryが多くを占めていた。睡眠状況は全体的に良好であった。また、主観的幸福感については、個人差が大きいことがわかった。機器の継続装着は、解析精度の向上に必須であり、対象者自身による機器着脱に伴う装着忘れを回避するため、今回1ヶ月間の継続装着を依頼した。その結果、全員が装着中の不快症状なく装着可能であった。対象者のアドヒアランスの高さが理由として考えられるが、真の活動量測定には、腰部への装着が提唱されており、対象者自身の機器着脱が必須となるため、さらなる工夫が必要と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高齢者を対象とすることから、負担が少なく取り扱いやすく、加えて精度の高い活動量計の選択に時間をかけたため。また、所属施設および協力施設での倫理審査承認に長期間要したため。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、1年間の縦断的モニタリングを予定している。精度の高いデータ収集のため、対象者全員に活動量計の長期継続装着を行ってもらう必要がある。予備調査において、1ヶ月間の継続装着に負担を感じる者はみられなかったが、過度の負担を強いることなくデータ収集が行えるよう、方策を十分検討したうえで研究を推進する。また得られたデータは相関分析により各要素間の関連性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定に必要となる機器選定に時間を要したこと、および倫理申請承認時期が遅れたことから、計画内容の実施時期が当初の予定より大幅にずれこんだため。対象者が増えるため、人数に応じて機器の台数を増やす予定である。
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