ベッド・車椅子間移乗時に転倒した回復期脳卒中患者に対して,「一人での移乗を続けてよい」と看護師が判断する際の判断視点として,2因子が抽出された。第1因子の〈安全な移乗動作の定着〉は移乗時の見守り解除の判断と共通性は高い反面,第2因子の〈再転倒予防につながる学習体験〉は移乗時の見守り解除の判断にはない視点であり,単独での移乗時に転倒した場合に特有の判断視点と考えられる。そのため,本研究で得られた判断視点は,既に単独での移乗を許可されていた回復期脳卒中患者の転倒後の移乗方法を,安全とADL拡大の両面から検討するうえで,有用な知見となりうる。
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