研究課題/領域番号 |
19K10859
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
櫻本 秀明 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (20755590)
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研究分担者 |
卯野木 健 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (40465232)
井上 貴昭 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60379196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 呼吸困難 / 集中治療 / 人工呼吸患者 / 客観的評価ツール / RDOS |
研究実績の概要 |
集中治療患者は、鎮静の影響などにより意識状態が混濁していることが多く、自覚症状を適切に表現できないことがある。また、人工呼吸中であれば発声は困難である。そのため我々は、観察による呼吸困難の客観的評価ツールであるrespiratory distress observational scale(RDOS)の日本語版の開発を行った。 RDOSの日本語への翻訳およびバックトランスレーションを数度繰り返す逆翻訳法(バックトランスレーション法)を実施した。6回の修正を重ね翻訳過程が終了した。日本語版作成には、非医療従事者の翻訳家、医療従事者の翻訳家にも参加していただき、オリジナルバージョンの文化的・医療的な表現の妥当性が担保されるよう実施された。また、研究者および日本語を母語とするボランティア医療者(専門家・非専門家)による日本語版RODSの表現妥当性・構成概念妥当性などの評価を数回実施し、日本語版RDOSの表現妥当性・構成概念妥当性などの評価は終了している。 現在、病院での患者評価における評価者間信頼性評価および、自己回答可能な患者の呼吸困難感との比較を通じ妥当性評価を行っている。すでに50観察ポイント以上の評価が行われているが、研究途中よりCOVID-19の流行による影響を受け研究対象者確保にやや難渋した。次年度早期に日本語版RDOSツールの開発は終了し、観察研究フェーズにうつれるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究途中よりCOVID-19の流行による影響を受け研究対象者確保にやや難渋した。次年度早期に日本語版RDOSツールの開発は終了し、観察研究フェーズにうつれるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初の予定通りに、日本語版RDOSの完成、学会における発表と、研究論文の執筆を行うとともに、中長期的なRDOSを使用した観察研究を実施する予定である。本邦における呼吸困難を有している患者割合の把握とリスク因子の解析、短期予後および長期的呼吸困難との相関など評価予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の研究が若干遅れているため、年度末に予定していた学会での日本語版RDOSに関する発表が行えなかった。そのため分担研究者と予定していた学会会場での情報収集および、研究会議も中止となっている。従って、これに関わる旅費の支出がなかったこと、また学会への参加費用がなかったことが理由としてあげられる。さらに、日本語版のツール開発後、調査紙の発送などの費用が計画されていたが、こちらもツールの開発が遅れているため予定されている費用を下回った。 これらの使用されなかった費用は、次年度に、現在遅れている調査紙の発送や作成された日本語版RDOSの学会発表を行うなどの費用として使用予定である。
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