研究課題/領域番号 |
19K10871
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
石井 智香子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80151322)
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研究分担者 |
遠藤 晶子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 准教授 (30530349)
久宗 真理 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (00782252) [辞退]
稲垣 順子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (20193542)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | COPD / 呼吸困難 / 言語表現 / 呼吸困難アセスメント尺度 |
研究実績の概要 |
COPD患者の呼吸困難は、患者にとって苦痛かつ、病態変化・重症化を反映する症状である。呼吸困難は主観的体験とされ、特に近年、その有無・程度など量的変化にとどまらず、患者の言語表現でとらえることの重要性が指摘されている。しかしながら、COPD患者の呼吸困難の言語表現の全容は未解明である。 本研究は、COPD患者の呼吸困難の評価に用いられる、modified British Medical research Council(以下、mMRC)の全グレードの呼吸困難の言語表現を探索・解明する。さらにこれをもとに呼吸困難アセスメント尺度を開発し、既存のCOPD患者の呼吸困難の評価指標等との関連を含め、患者の呼吸困難の特徴を明らかにする。 初年度の2019年度は、Krippenndorff(1980)の内容分析により、全グレードを含むCOPD患者の呼吸困難に関するインタビュー調査から、呼吸困難の言語表現を抽出することを重点的に実施した。2020年度・2021年度は、抽出された言語表現とインタビュー調査による文脈の意味内容の信頼性/一致度を高める検討を研究者間で行い、COPD患者の呼吸困難の言語表現の精度を高めることに努めた。このプロセスにより、mMRC全グレードの呼吸困難の特徴が明らかになりつつあり、2021年度は、在宅酸素療法未導入の慢性閉塞性肺疾患患者の呼吸困難の言語表現を研究成果として関連学会に公表した。 上記の内容は、本研究において次の研究ステップである呼吸困難のクラスター化、呼吸困難アセスメント尺度の開発へ続くもので、本研究の重要な位置を占めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、COPD患者のインタビュー調査のデータが大量で分析に時間を要する研究である。また2021年度は、複数の研究分担者の所属変更等のみならず、2022年度より研究代表者の所属変更の予定があり、それが決定したこと、およびCOVID-19感染拡大への対応により研究時間確保が非常に困難な状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
COPD患者の呼吸困難の言語表現の抽出は、精度を高めるための最終的な内容分析を現在継続中である。この後、現在解析準備しているクラスター分析を経て、呼吸困難アセスメントの尺度の基盤となるアイテムを抽出する。ただしアセスメント尺度の洗練などにかかわる研究段階については、COVID-19の感染状況を見極めたうえで、可能な範囲で実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、COPD患者のインタビュー調査のデータが多量で、呼吸困難の言語表現について、特に内容分析の精度を高めるための時間を要している。さらに2021年度より研究分担者、2022年度から研究代表者の所属変更が予定され決定したこと、およびCOVID-19感染拡大への対応により、研究時間の確保が非常に困難な状況となった。このため予定していたデータ解析・洗練、呼吸困難アセスメント尺度アイテム抽出・作成には至らなかった。次年度は、現在行っている分析を継続し、成果を論文等で公表するとともに、呼吸困難アセスメント尺度作成を可能な範囲で行う。これらで必要となる経費の旅費、人件費として使用する。
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