研究課題/領域番号 |
19K10876
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
遠藤 みどり 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (90279901)
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研究分担者 |
井川 由貴 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (20453053)
山本 奈央 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (30509427)
高取 充祥 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (60781383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 周術期看護 / 術後疼痛管理 / e-learning |
研究実績の概要 |
本研究は、周術期看護に携わる外科系病棟看護師の術後疼痛に対する問題解決能力の育成を目指し、看護師の術後疼痛管理に関する継続学習に即応したe-learningによる教育システムを開発することを目的としている。 初年度は、教育内容(コンテンツ)案の再検討、e-learninの全体構築、学習管理システムでの構築計画を検討することを計画した。そこで、研究者ら以外にe-learningに精通している学識者、臨床看護師、麻酔科医師、外科医師、専門看護師、薬剤師、管理栄養士を加えての組織的なプロジェクトを編成し、2か月に1回の会議を開催した。 e-learningに関する国内外の関連文献の検討やプロジェクトメンバーの専門的な意見をふまえながら、研究者らが作成した既存の術後疼痛管理の教育内容がe-learningの教育内容として適切かを検討した。e-learning構成は、イントロダクション・総論(2つのモジュール)・各論(4つのモジュール)の3部構成とし、モジュール別に15分程度に細分化した教育内容(コンテンツ)を検討した。 また、各コンテンツの作成と併せて、e-learningを提供するターゲット集団の検討を行った。さらに周術期疼痛管理に関しては専門職の経験年数を問わず、問題解決力の向上を図る必要があることから、ベテラン看護師と新人看護師の問答形式のヴァーチャルリアリティを組み入れたe-learningの構成で展開する方法をとることにし、教育内容(コンテンツ)の適切性と精度を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存の集合型研修用に作成している教育内容をe-learning用にコンテンツを細分化し、他のコンテンツとの重複や理論・概念の不整合の有無の検討に時間を要している。コンテンツの精選においては、プロジェクトメンバーの合意が不可欠であり、計画していた以上に時間を要している。また、コンテンツの作成と同時に問題解決能力を育成するためのVR(ヴァ-チャルリアリティ)シミュレ-ションも組み入れの設計も行っており、コンテンツ内容とシミュレーションの整合性の確認も行っている。そのため、初年度に計画していた学習管理システムでの構築計画(案)を作成に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は教育内容(コンテンツ)の更なる精選に向け、術後疼痛管理において看護実践や教育を先進的に行い、テクノロジ-化が拡大している米国に赴き、開発・運用されているe-learningでの看護教育の現状を実際的に情報収集し、システムを構築する上での参考にする予定であったが、世界規模になっているCOVID-19感染症拡大の影響から、国内外の感染状況を鑑みて検討する。 また、国内の感染拡大に伴い、医療職であるプロジェクトメンバーとの会議開催も中断していることから、医療現場の情勢を確認しながらリモート会議等で研究活動を再開する予定である。 今後は、e-learningのコンテンツの再確認と精選、ならびにコンテンツ制作を継続するとともに、システム構築計画の立案やe-learning導入計画を立案する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度にe-learningの教育内容(コンテンツ)の検討に時間を要したため、教材作成やセキュリティ面においても堅固であるLMS(Learning Management System)の学習管理システムでの構築計画(案)を作成すために、専用ノートパソコン、教材ソフトウエア、学習管理システムの購入をする必要がなかった。しかし、次年度は、e-learning構築と導入計画を検討し、試用する予定である。
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