救急看護師の救急電話相談能力の強化を支援するシミュレーション教育プログラムの開発

2023 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K10883
• 研究機関: 学校法人文京学院 文京学院大学
• 研究代表者: 今井 亮 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助教 (50739597)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2025-03-31
• キーワード: 電話トリアージ / 救急外来 / 教育プログラム

研究実績の概要

わが国における病院前緊急度判定システムが機能するためには、救急外来における電話トリアージを担う看護師が、救急医療システムの始まりにおいて、患者の緊急度・重症度を推定し、個々の状況に応じたケアや治療を受けられる適切な助言を提供することが求められる。しかしながら、救急外来における電話トリアージは、看護師個々の判断や実践力に委ねられている部分が多いとされ、このような状況で電話トリアージに対応することに不安やストレスを感じ、看護師が緊急度を判断することに疑問を抱いていることも少なくない。また、救急外来における電話トリアージに関する先行研究は、単施設によるものが散見されるのみで、その実態や教育体制については明らかにされていない。
そこで、本研究では、救急看護師を対象とした全国調査を行い、救急外来における電話トリアージの実態と教育的ニーズを明らかにし、救急外来における電話トリアージ看護実践能力の向上を目的とした教育プログラムを開発することを目的としている。具体的には、電話トリアージに関する研究や教育の動向把握（目標1）、電話トリアージに関する実態と教育ニーズの明確化（目標2）、救急外来における電話トリアージ看護実践能力の向上を目的とした教育プログラムの開発（目標3）を、主な計画としている。
2023年度は、救急外来における電話トリアージ看護実践能力の向上を目的とした教育プログラム案を作成した。救急看護に精通している専門家2名に協力を得て、教育プログラムの目的・目標、対象、方法、シミュレーションシナリオ、スケジュールの妥当性について協議した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により計画全体に遅れが生じていたが、2023年度は救急外来における電話トリアージ看護実践能力の向上を目的とした教育プログラム案を作成することができた。しかしながら、αテスト・βテストを実施するまでには至らなかった。

今後の研究の推進方策

2024年度は、作成した救急外来における電話トリアージ看護実践能力の向上を目的とした教育プログラムのαテストとβテストを実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

計画通り専門家会議を開催できたものの、αテストとβテストを実施するには至らなかったため次年度使用額が生じた。
2024年度は、専門家会議2回、αテストとβテストの謝金を支出する予定である。