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2020 年度 実施状況報告書

集中治療後患者の機能回復を目指した看護主導の継続的多職種フォローアップモデル開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K10888
研究機関東邦大学

研究代表者

瀧口 千枝  東邦大学, 健康科学部, 講師 (50823530)

研究分担者 井上 智子  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 大学校長 (20151615)
工藤 大介  東北大学, 医学系研究科, 講師 (30455844)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードPICS / フォローアップ / チーム医療 / システム構築 / クリティカルケア看護
研究実績の概要

2020年度は、前年度に実施したアンケート結果の分析をさらに進め、本邦における集中治療後患者のフォローアップの現状と課題として3側面を明らかにした。まず、本邦の集中治療後患者のフォローアップ率は一般病棟で3割、外来では1割を下回っており、諸外国と比べても低い。これは、集中治療後患者の中長期的支援ができていないだけでなく、患者の中長期的転帰の確認ができていないことを示す。患者フォローアップと中長期的転帰の医療者へのフィードバック確立により、集中治療後患者の症状悪化予防・回復促進のみならず、集中治療を評価・改善することにつながる。
2点目として、フォローアップは医師だけでなく看護師、多職種チームによっても実施されている。マンパワー不足は最大の課題であるが、人員補充という量的な視点だけでなく、要フォローアップ患者の選定方法の確立やチームの調整役割の明確化によるチーム活動の促進など、質的な改善による効率性向上を目指す必要がある。
3点目は、フォローアップ実施のシステムが欠如している。フォローアップの標準化の欠如や、集中治療室と病棟との認識の格差もあり、質保証が困難な状況である。集中治療室から在宅まで途切れずにフォローアップできるシステムを構築し、アウトカム評価が可能な介入計画を立案する必要性がある。
さらに、2020年度は、集中治療後患者へのオンラインインタビューを実施し、患者・家族の立場から集中治療後患者のフォローアップの問題の抽出を開始した。2021年度は、アンケートにより明らかになった3側面の問題、および、集中治療後患者の体験から見える問題の分析をさらに進め、集中治療後患者の機能回復を促進するための継続的フォローアップシステムの完成を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の感染拡大により、研究者が研究実施施設に入ることができない状態が続いたこと、集中治療後患者への面接によるデータ収集が困難であったことにより研究が停滞した。研究方法を【対面による面接調査】から【オンラインによる面接調査】に、研究者間の打ち合わせもオンラインに変更した。これらの変更に時間を要したため、研究進捗が予定よりも遅れている。

今後の研究の推進方策

2021年度は、集中治療後患者の機能回復を促進するための実施可能なフォローアップモデルを完成させる。モデルの構築にあたっては、2019年度のアンケート調査で、集中治療室退室患者のフォローアップに関わる職種が明らかになったため、集中治療医、看護師、理学療法士、精神科医へのアンケート調査を新たに実施し、フォローアップモデルの各要素を決定していく。感染状況により、対面によるデータ収集やワーキングが制限されることが見込まれるため、すべてのデータ収集をオンラインによる収集に変更し、予定内での完了を目指す。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19 感染拡大状況により、面接調査を含むデータ収集が遅れていたため、データ収集に伴う費用(交通費や謝金)、データ整理に伴う費用(技術補佐員の謝金)の支払いが次年度に持ち越されている。次年度使用額および2021年度請求額は、持ち越されていた調査の実施に伴う出費(多くはアンケート調査に伴う謝金)に使用とフォローアップモデルの開発に向けたデータ収集と解析のために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本における集中治療後患者のフォローアップの現状と課題2021

    • 著者名/発表者名
      瀧口千枝 松井憲子 工藤大介 井上昌子 井上智子
    • 学会等名
      第48回日本集中治療医学会

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公開日: 2021-12-27  

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