研究課題/領域番号 |
19K10888
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
瀧口 千枝 東邦大学, 健康科学部, 講師 (50823530)
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研究分担者 |
井上 智子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (20151615)
工藤 大介 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30455844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | PICS / 集中治療後症候群 / フォローアップ / ケアコーディネーション / 機能回復 |
研究実績の概要 |
2021年度は、3つの調査:①集中治療後患者のニーズをとらえるための面接調査、②フォローアップモデルの構成要素を明らかにするための全国アンケート調査、③フォローアップモデルの妥当性と実現可能性の検証のためのフォーカスグループインタビュー、を実施した。 ①では、集中治療室退室後6か月の時点の患者9名に半構造化面接を実施した。患者は疲労感・息切れなど身体的苦痛が強い状態で退院しているが、苦痛のある身体で新しい生活に適応するための試行錯誤と自助努力をしていること、医療者からの情報提供が支えになっていることが明らかになった。 ②では全国の集中治療に携わる医療者115名(1回目)93名(2回目)が参加した。フォローアップモデルの構成要素として、要フォローアップ患者のスクリーニング基準、カルテでの集中治療後症候群に焦点を当てた情報共有ツール、評価・フォローアップ計画立案時期の明確化(退室時・退院時を必須とし個別対応していくこと)、ニーズに応じた集中治療スタッフのアウトリーチが必要なことが明らかとなった。これら①②の調査結果と、2020年度に明らかにしたフォローアップの現状と課題を統合し、フォローアップモデル素案を作成した。 ③では集中治療に携わる医療者28名(医師4名、急性・重症患者看護専門看護師19名、理学療法士5名)を5グループに分け、フォローアップモデル素案をもとにオンラインにてグループインタビューを実施した。5回のインタビューを通し、フォローモデルの各構成要素の詳細、フォローアップチーム構成職種、モデルの適用範囲、およびフローが確定し、「集中治療後患者の機能回復を目指した継続的多職種フォローアップモデル案」を決定した。 最終年度である2022年度は、次のステップである介入研究に向けて、フォローアップモデル案の最終調整を行い、フォローアップモデルを完成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度のコロナ禍に伴う研究活動の遅れを受け、2021年度は、面接調査やフォーカスグループインタビューをオンライン形式に変更し研究進度の挽回を試みたが、フォローアップモデル完成には至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2022年度は、次のステップである介入研究に向けて、フォローアップモデル案の最終調整を行い、フォローアップモデルを完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度にコロナ禍による研究活動の停滞のため、2021年度内での論文作成に至らなかった。次年度使用額は、論文作成のための英文校閲費用や図書・文献購入費用である。
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