研究課題/領域番号 |
19K10888
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
瀧口 千枝 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (50823530)
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研究分担者 |
井上 智子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (20151615)
工藤 大介 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30455844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | クリティカルケア / 集中治療後症候群 / PICS / フォローアップ / 多職種連携 / ケア調整 |
研究実績の概要 |
2023年度は、モデルの一部である情報共有ツールの最終調整および、研究成果の学会発表、論文作成を行った。 本研究は、集中治療後患者の機能回復を目指した継続的多職種フォローアップモデル開発を目的に3つの調査を行った。 調査1では、全国588施設にアンケート配布し、集中治療医(n103)および集中治療後患者を引き継ぐ一般診療医(n79)の回答から、集中治療後患者フォローアップの現状と課題を分析した。その結果、集中治療医は、退室後患者の病状悪化を懸念し、一般診療医は退室後患者のケア依存度の高さに難渋しており、高いフォローアップニーズがあった。医師等によるフォローアップ実施率は病棟で26.2%、外来で5.8%である一方、急性・重症患者看護専門看護師(n70)では、病棟で74.3%、外来で21.5%の実施率であり、フォローアップのリソースとして看護師の活用可能性が明らかとなった。 調査2は、集中治療後6か月の患者を対象に、集中治療後の体験とフォローアップニーズを調査した。患者は、身体・認知機能低下、抑うつ傾向があり、一部の患者は失職していたが、回復・適応への自助努力をしており、医療者に情報や助言を求めていた。フォローアップにおいては、セルフマネジメント力を高める視点、情報提供・助言システムの整備が必要と考えられた。 調査3は、調査1,2を統合して試作した「集中治療後患者の機能回復を目指した継続的多職種フォローアップモデル(案)」をもとに、集中治療医、一般診療科医、精神科医、急性・重症患者看護専門看護師、理学療法士ら28名による専門家会議を5回開催した。最終的に、①PICSスクリーニング、②PICS情報共有ツールの活用、③集中治療後患者の退室後訪問、④退院時セルフケア支援、⑤フォローアップ外来、からなるフォローアップモデルが完成した。本モデルは、後継の介入研究にて有効性の検証がされる。
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