本研究の目的は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の臨床経過における球麻痺症状と呼吸機能の関係を明らかにすることで、気道ケア法を確立し、苦痛症状緩和のための看護ケアにつなげることである。研究成果は下記のとおりである。 1.ALS患者の舌の厚み(超音波検査)は、疾患進行および摂食嚥下に関わる器官との関連を示す指標の一つとなりうる。2.外来通院初期の舌圧は、測定時の呼吸機能・球麻痺症状・体格指数との関係を示し、疾患進行を反映する臨床指標となりうる。3.非侵襲的人工呼吸患者がオピオイドを必要とする時期は、多様な症状が混在しており、症状の見極めに基づく治療・ケアが重要であることが示唆された。
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