研究課題/領域番号 |
19K10899
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中村 伸枝 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (20282460)
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研究分担者 |
水野 芳子 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (20730360)
仲井 あや 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30612197)
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50241112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 専門看護師 / 役割 / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、制度開始から20年が経過した専門看護師の活動を明確にし、専門看護師のラダーを検証すると共に専門看護師の評価指標、地域包括ケア時代に専門看護師に求められる役割、必要とされる大学院教育や継続教育について検討することを目的としている。 令和3年度は、昨年度に実施した研究1「専門看護師の医療・社会情勢をふまえた活動の変化と評価」の成果について、学会発表及び論文投稿を行った。専門看護師としての基盤が形成される認定後5年間の活動に関して千葉看護学会第27回学術集会で発表し、その後、文化的考察を加えて文化看護学会誌に論文投稿した。また、認定後5年目以降の専門看護師の活動や役割の拡大と社会の変化及び専門看護師の自己教育について、第41回日本看護科学学会学術集会で発表した。認定後10年以上経過した専門看護師の活動の結果から、専門看護師のアセスメントは、ケアの対象やその生活、ケアの対象者を診る組織、ケアの対象者の居住地域のなかで生じていることに加え、施策や社会の状況を合わせて俯瞰する特徴があった。専門看護師は、これらのアセスメンに基づき、患者アウトカム、看護スタッフの育成、ケアが行き届くための組織変革・政策提言を目指し、もちうる資源で最善の活動をしていることが示された。本研究の成果をふまえ、第31回日本小児看護学会のテーマセッション「小児看護における高度実践看護師の役割と活動を共有しよう」の話題提供者、千葉大学看護学部国際セミナー「高度実践看護師のグローバルスタンダードと実践」の講師を務めた。 更に、新型コロナウイルス感染症症拡大のなかで、専門看護師が行った活動や困難への対処を明確にすることは、強化あるいは創造すべき専門看護師の役割を明らかにするうえで意義があると考え、「新型コロナウイルス感染症拡大のなかでの専門看護師の活動と困難への対処」の研究に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた、研究1「専門看護師の医療・社会状況をふまえた活動の変化と評価」に関する知見の公表については、1件は論文投稿を行い査読中であり、もう1件の論文を作成中であり、計画通り進めている。また、3件の学会発表と2件の交流集会等の講師を務め、研究成果を基に専門看護師や教育研究者と意見交換を行うことができた。 本年度から着手した「新型コロナウイルス感染症拡大のなかでの専門看護師の活動と困難への対処」の研究は、倫理審査承認を終え、Web調査並びにインタビュー調査についてデータ収集を開始しており、現在までにWeb調査29名、インタビュー調査2名のデータを得ている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1「専門看護師の医療・社会状況をふまえた活動の変化と評価」の論文投稿を進める。一部は、英文で動画を作成し、学内のJapan Virtual Campsへの登録を目指す。 研究2「新型コロナウイルス感染症拡大のなかでの専門看護師の活動と困難への対処」のデータ収集、分析、論文作成を進めていく。 研究1・2の結果に基づき、専門看護師のラダー育成ラダーを検討し、地域包括ケア時代に専門看護師に求められる役割、強化すべき大学院教育・修了後の継続教育を検討する。 新型コロナ感染症拡大の影響を加味し、専門家会議及び調査はオンラインにより実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の拡大により、インタビュー調査の多くがオンラインとなったこと、会議及び学術集会はすべてがオンラインとなり旅費が発生しなかったことによる。
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