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2020 年度 実施状況報告書

COPD治療に最適なアロマセラピーを用いた呼吸リハビリテーションの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K10901
研究機関岡山大学

研究代表者

柴倉 美砂子  岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (30314694)

研究分担者 森本 美智子  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50335593)
篠畑 綾子  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (70335587)
宮原 信明  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
飯尾 友愛 (上野友愛)  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (80613158) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードCOPD / 精油 / 貪食能 / テオフィリン
研究実績の概要

ヒト単球系細胞THP-1をマクロファージに分化させて、タバコ抽出液(CSE)によるマクロファージの貪食能低下に対する精油の作用を検討した。マクロファージを2.5%CSEに7時間曝露し、培地を交換して一晩培養した後のFITC-IgG標識ビーズに対する貪食能はCSE未処理のコントロールと比較して低下した。また、0.01%のラベンダー精油及びユーカリ精油はマクロファージの貪食能に影響を与えなかった。マクロファージをラベンダー精油やユーカリ精油で2時間前処置して、CSEを添加し7時間刺激した後、培地を交換して一晩培養したマクロファージの貪食能は、コントロールに比べて低下していた。よって、精油にはCSE刺激によるマクロファージの貪食能低下を抑制する作用は認められなかった。
次に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬のテオフィリンと精油との相乗作用について検討した。テオフィリンでマクロファージを前処置した後に、2.5%CSEで刺激し3時間後のRNAを抽出してRT-PCRを行った。その後IL-8プライマーを用いてPCRを行い、電気泳動像から得られるPCR産物の輝度を定量したところ、10μMのテオフィリンでIL-8発現が抑制された。ラベンダー精油やユーカリ精油は、0.01%の濃度でIL-8やIL-1βの発現を抑制するが、0.005%では抑制しない。そこで、マクロファージを精油0.005%とテオフィリン10μMで前処置した後にCSEで刺激し同様の実験を行ったところ、CSE刺激によって上昇するIL-8の発現はテオフィリンと精油によって、精油単独やテオフィリン単独での作用よりも強く抑制されなかった。よって、ラベンダー精油やユーカリ精油とテオフィリンにCSE誘導性炎症性サイトカインを抑制する相乗作用は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、研究活動が制限された。

今後の研究の推進方策

CSE誘導性炎症性サイトカインの抑制に対するCOPD治療薬と精油との相乗作用が認められなかったため、抗酸化物質であるビタミンCやリコピンと精油との相乗作用を検討する。また、マクロファージへのCSEや精油の作用のみならず、肺胞上皮細胞に対するCSE誘導性炎症性サイトカインの発現や転写因子活性化に対する精油の作用も検討する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため研究活動が制限されたため、使用できなかった予算を繰り越した。今年度は遅れている研究に利用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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