研究課題/領域番号 |
19K10905
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐竹 陽子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90641580)
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研究分担者 |
石澤 美保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10458078)
升田 茂章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80453223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 救急看護 / 終末期 / 緩和ケア / 創傷ケア |
研究実績の概要 |
2020年度は、救急領域における外見(アピアランス)の課題を明確にすることを目的に、救急領域で発生した創傷の特徴に関する後ろ向き調査を実施した。 1施設の救急領域において2017年度から2019年度の3年間で皮膚障害を発生した患者322名を対象に皮膚障害の特徴をとらえた。対象者は平均69.4±18.4歳、男性198名(61.5%)、女性124名(38.5%)であった。対象者に発生した皮膚障害の部位は体幹 202(62.7%)、下肢52(16.1%)、頭頚/顔38(11.8%)、上肢23(7.1%)であった。皮膚障害の種類は褥瘡147(45.7%)、医療関連機器圧迫創傷81(25.2%)、失禁関連皮膚炎5(1.6%)、スキンテア3(0.9%)、その他判定不能86(26.7%)であった。死亡退院した患者42名に皮膚障害の治癒は認めなかった。 皮膚障害は、これまで予防と管理方法が確立してきた褥瘡や医療関連機器圧迫創傷のほかに、判定不能な皮膚障害として体幹を中心に顔・四肢などに発生し、患者の外見に影響を及ぼしていた。救急領域に特徴的な皮膚障害に対するケア方法を検討していく必要がある。また患者の死亡時には治癒を認めないことから、外見の変化に起因する患者やその家族の苦痛を軽減するケアとして、救急領域に特徴的な皮膚障害に焦点をあてアピアランスケアを確立することは患者の尊厳にも関わる重要な課題であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により研究協力施設との調整に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の実態調査の結果をもとに救急領域の終末期における緩和的創傷ケアとして取り組むべき課題を焦点化する。次段階としてアセスメント指標およびケア方法の明確化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で研究計画に遅れが生じているため、調査に使用する予定の備品に関する予算を執行していない。調査を再開でき次第執行していく。
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