研究課題/領域番号 |
19K10905
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐竹 陽子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90641580)
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研究分担者 |
石澤 美保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10458078)
升田 茂章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80453223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 救急看護 / 終末期 / 緩和ケア / 創傷ケア |
研究実績の概要 |
2021年度は、救急領域における終末期患者の外見(アピアランス)の問題を、看護師の視点から明確にすることを目的とした。救急看護に従事する看護師6名を対象に、患者の終末期に管理困難な皮膚障害や整容上の問題とその理由について、55分のフォーカス・グループ・インタビューを実施し、次の結果を得た。 救急領域で終末期ケアを実践する看護師は、【外傷や救命のためのデバイスによる創傷】【外傷や全身状態悪化に伴う色調の変化】【全身の浮腫による容姿の変化】をアピアランスの問題と捉えていた。また【全身から漏出する浸出液】が患者のアピアランスに影響する問題であるとしたほか、【治療による末梢の冷感】【浸出液や創部からのにおい】も問題であると捉えていた。さらに、全身状態の悪化した終末期患者に生じる創傷などの整容の問題は、予防ケアにもリスクが伴い十分なケアができないこと、発生すると進行が早く治癒が見込めないことも明らかとなった。 看護師は、患者のアピアランスの問題を視覚だけでなく、冷感やにおいといった感覚からも捉えているという特徴があった。しかし、患者の重篤な全身状態によりケアの具体的方法を見出せない現状があり、救急領域の終末期患者の特徴を考慮したアピアランスケアを確立することの重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実態調査としてのデータ収集は終了し、緩和的創傷ケアの具体的内容検討の計画と準備ができており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度の結果について研究参加者のメンバーチェッキングを行い、救急領域における終末期患者のアピアランスの問題とその要因を明確にする。2020年度の後ろ向き調査および2021年度のフォーカス・グループ・インタビューの結果をもとに、緩和ケア、創傷ケア、救急・集中治療看護に関するエキスパートパネルを開催し、救急領域における終末期患者の緩和的創傷ケアの具体的方法を示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で研究計画に遅れが生じていたため、使用する予定の備品等に関する予算を執行していない。
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