研究課題/領域番号 |
19K10916
|
研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
林 容子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (20808703)
|
研究分担者 |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60212669)
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (60583789)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 緩和ケア / 新生物 / 死別 / 抑うつ / 死 |
研究実績の概要 |
終末期の話し合い(End-of-life discussion)は終末期がん患者の過剰な積極的治療の抑制、緩和ケアやホスピスの早期紹介に寄与し、患者の生活の質(Quality of life)の改善や遺族の大うつ病のリスク低下と関連することが明らかとなっている。わが国のEnd-of-life discussionに関する遺族調査は、主に緩和ケア病棟で死亡したがん患者の調査であり、約7割のがん患者の死亡場所である一般病棟でのEnd-of-life discussionによる患者・家族アウトカムへの影響は明らかではない。本研究では、一般病棟で死亡した終末期がん患者の遺族を対象とするアンケート調査と診療録調査により、①一般病棟でのEnd-of-life discussionの実態を明らかにする、②一般病棟でのEnd-of-life discussionの関連要因を明らかにする、③終末期がん患者のQuality of lifeや遺族の精神健康に及ぼすEnd-of-life discussionの関連を明らかにすることを目的としている。 研究成果として、2019年度は、アンケート調査と診療録調査により、がん診療連携拠点病院2施設の一般病棟で死亡したがん患者の遺族124名(回収率51%)のデータを得ることができた。2020年度は、得られたデータを解析し、研究成果を論文にまとめ、終末期医療や緩和ケアに関する国内の学会で発表、国際誌に論文投稿した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度内に遺族アンケート調査と診療録調査とデータ解析を終え、2020年度では研究成果をまとめ、国内外の論文雑誌に投稿するまでに至り、概ね計画通りに遂行している。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、すでに国際誌に投稿してある論文の採否の結果に応じて、校正等をしていく。本研究では、End-of-life discussionをした遺族としなかった遺族の精神健康に有意な差が認められなかったことから、今後の研究では、選択バイアスの可能性を考慮し、より関連性の高い項目を用いて、より詳細に評価できる研究を計画していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、調査対象者である遺族の負担を鑑み、サンプルサイズに満たない時点で調査を中止したこと、本研究に関連する学会の延期やオンライン開催への変更により、旅費等の支出がなかったことから、次年度の助成金が生じてしまった。翌年度は、国内外の学会誌の論文投稿に向け、論文校正や学会参加費に使用する。
|