研究課題/領域番号 |
19K10919
|
研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
中尾 友美 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (90609661)
|
研究分担者 |
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 糖尿病 / セルフマネジメント / タイムマネジメント / 患者教育 / セルフケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生活時間のマネジメントといった側面から、就労している2型糖尿病患者をサポートするための看護ケアシステムを構築し、保健指導従事者に普及することである。本調査で活用する看護ケアは、我々が開発した生活時間のマネジメントを測定するスケールを用いたものであり、今年度は、e-ラーニングを用いた教育媒体を作成することを計画した。 e-ラーニングコンテンツは、3種類作成した。一つ目、この看護ケアシステムを活用する保健指導従事者が、糖尿病患者教育の経験が少ない場合を想定し、糖尿病患者教育の基本的知識に関するものとした。内容は、「糖尿病の食事療法」、「糖尿病の運動療法」、「糖尿病の薬物療法:インスリン注射」、「糖尿病の薬物療法:内服薬」、「フットケア」とした。二つ目は、保健指導従事者が活用するものとして、「糖尿病患者のセルフケア支援」と「生活時間のマネジメント:看護職用」とした。三つ目は、患者が活用するものとして、「就労している2型糖尿病患者の注意点」、「生活時間のマネジメント:患者用」とした。現在は、作成したe-ラーニングコンテンツを研究者で確認し、修正を加えている。 e-ラーニングコンテンツ作成以外では、昨年度に引き続き、就労している2型糖尿病患者の生活時間のマネジメントに関連する要因の分析を行った。就労している2型糖尿病患者220名のデータを分析し、年齢、性別、HbA1cを調整した上で、生活時間のマネジメントと、シフト勤務の有無、管理業務の有無、平均労働時間との関連を重回帰分析を用いて確認した。生活時間のマネジメントは、シフト勤務の有無、管理業務の有無、平均労働時間と関連があり、これらは、就労している2型糖尿病患者の生活時間のマネジメントを考える上で、考慮が必要な要因であることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はe-ラーニングコンテンツの作成が中心であったため、新型コロナウィルス感染症の影響が小さかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、作成した看護介入方法を修正すると共に、保健指導従事者へ紹介していく予定である。新型コロナウィルス感染症の影響で、説明会の開催が困難なことが予測されるため、学術集会の場を活用したり、リモートでの説明会の実施を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、看護システムの普及の際、説明会やシステム導入施設などで使用するためのタブレットを数台購入する予定にしているが、2020年度は説明会を実施しなかったため購入しなかった。2021年度以降に購入予定である。また、e-ラーニング作成費用が未払いである(2021年度に支払う予定)。
|