研究課題/領域番号 |
19K10921
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
内藤 紘一 名古屋女子大学, 健康科学部, 研究員 (50781613)
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研究分担者 |
井澤 和大 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (10736185)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心疾患 / 在宅 / 身体活動量 / 座位行動 / 生活空間 / 住環境 |
研究実績の概要 |
新型コロナ感染症の影響が長期化したことで、データ収集に関して抜本的な見直しが必要となった。このため、研究協力施設とデータ収集に関して新しい体制を構築し、データ収集を再開し、新型コロナ感染症発生以前に近い状況にまでデータ収集速度が回復した。また、その間、これまで集積したデータを解析し、退院時にフレイルを有さない患者において退院後に生活空間の狭小化が認められる傾向があることを明らかにした。これは退院時にフレイルを有する患者に床効果があった可能性が考えられる。この結果から、たとえ退院時にフレイルを認めなくても、退院後に生活空間の狭小化を予防する対策が必要であることが示唆された。またサブ解析として、心不全患者は心筋梗塞患者よりフレイルのリスクが高いことが推察され、退院後もシームレスなフレイル対策が必要であると考えられた。この結果から、身体活動・座位行動を考慮した新しい心臓リハビリテーションの対象として、特に心不全患者が重要であることが明らかとなった。さらに、外来心臓リハビリテーション患者において、社会的孤立が認められる患者は、低強度の歩行活動が減少しやすいが、全体としての活動量は、社会的孤立を有さない患者と有意な差がないことが判明した。これは、外来心臓リハビリテーションが社会的孤立のある心疾患患者の活動量維持に貢献することを示していると考えられた。また、社会的孤立を持つ心疾患患者の活動量を増加させるとき、低強度の歩行活動がターゲットになりうる可能性を明らかにした。これらはすべて学会で発表され、社会的孤立を持つ心疾患患者についての発表は、第7回日本心臓リハビリテーション学会近畿地方会において、優秀演題セッションに選出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響により、データ収集が予想よりも大幅に遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症により、データ収集で遅れを取ったが、研究協力施設と個人情報を除いたデータをリモートで安全に提供するためのシステムを構築したことで、データ収集の速度は、新型コロナ感染症の発生以前に近い水準まで回復している。このため、次年度はデータ収集を継続するとともに、それらを解析し、論文化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響で、データ収集が遅れ、論文化などが遅れているため次年度使用額が生じた。次年度は積極的に論文化し、当該年度に予定していた分も含めて、研究成果の公表に努めていく予定であり、その費用として使用していく予定である。
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