研究課題/領域番号 |
19K10926
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井沢 知子 京都大学, 医学研究科, 助教 (50538436)
|
研究分担者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50326302)
山崎 和裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (50464227)
幣 憲一郎 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (60538643)
森 由希子 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80456863)
川島 雅央 京都大学, 医学研究科, 助教 (80766676)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 乳がん患者 / 浮腫 / 症状マネジメント / がん看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は前向き介入研究によって、タキサン系薬剤治療中の乳がん患者に生じる全身性浮腫の増悪防止の指標を探索することである。 今年度の目標は、10例の症例を登録することであった。対象者の病期は問わず、タキサン系薬剤投与前から投与後2か月まで①初回、②タキサン系薬剤投与中間時点、③終了時点、④投与後1か月時点、⑤投与後2か月の5つの時点においてインボディーによる体組成の測定、QOLの測定を行い、①初回と③終了時点に栄養指導を実施した。 その結果、7名の登録があった。年齢は40歳代から70歳代で、術前治療が4名、次に術後治療2名、再発治療1名であった。しかしそのうち1例(術前治療)は治療中断、1例(術後補助治療)は他施設に転院となり、③の治療終了時点の段階で、2名が中止となった。対象者5名の浮腫の傾向としては、③の治療終了時点から下肢浮腫の自覚を訴える傾向が見られた。1名の術後治療の症例では、②の投与中間時点から早期に患側上肢のリンパ浮腫が出現した。今後も登録を順次増やしてデータを蓄積していく必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年は4月に倫理審査申請、6月に審査終了となり、研究に必要な機器を7月に準備、施設への設定を行った上で、10月より症例の登録を開始した。初年度は10名の登録を目標としていたが、ドセタキセル投与例が少ないこと、1人の介入期間が7か月ほどかかることや、治療中断や転院などから、初年度の登録は7名であった。さらに2名は途中での中断となった。そのため予定よりもやや登録が遅れているため、引き続き登録を行っていく必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、症例登録を進める。2020年度はさらに10名の登録を目指したいと考えているが、新型コロナ感染症拡大防止のために院内でのがん治療にも多少の影響が生じている。遠方からの通院は避け、なるべく近隣にて治療が受けられるような配慮なども行われており、術前治療でタキサン系薬剤治療となる割合は少ない傾向になると思われる。また研究の登録者のリクルートも制限せざるを得ない状況にある。 新型コロナ感染症の社会的状況や施設での対策状況などを見ながら、安全を最大限にし、負担を最小限に抑えながら可能な範囲内で研究を進めていく予定である。 初年度の研究実績から、登録した場合でも途中での脱落もあるため、年度の途中で班会議をもち、調査時点等の見直しを行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者への謝金や書籍費に充てる予定である。今年度は交通費などの経費が不必要となる可能性はあるが、逆にオンラインによる会議などを行う必要も出てくるため、そのオンライン会議通信費などにも充てる予定である。
|