研究課題/領域番号 |
19K10927
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三好 雅之 鳥取大学, 医学部, 助教 (60632966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 食道発声 / インストラクショナルデザイン / セルフトレーニングプログラム / 教育目標分析 |
研究実績の概要 |
本年度、食道発声患者のQOL向上を目的とし、発声セルフトレーニングプログラム開発に取りかかった。本研究は、Dick and Carry のシステムアプローチモデルに従って実施している。本年度は、アプローチモデルの1. ニーズアセスメント、2. 教育目標分析、3. 患者分析とコンテキスト分析、4. パフォーマンス目標作成、5. 評価基準の開発を行った。 ニーズ分析の結果、「こんにちは」等の日常生活で頻用する簡単な言葉の習得を、最初のゴールとして望んでいることが明らかとなった。また、発声教室へ通うことができない患者も多く、自分でできる効果的なトレーニング方法の確立を望んでいる者も多かった。 教育目標分析した結果、食道発声は運動技能に該当し、空気取り込み準備期、空気取り込み期、空気排出期の3つの手順に分かれていることが明らかとなった。また、特に、背部、鼻、口腔内、気管孔、頸部、腹部の身体の各部分は、各手順において詳細な体の動きをしており、継続的に動かすことで、発声が可能となっていることが考えられた。 食道発声を用いて言葉を作り出すためには、飲み込み法による発声から可能な限り早く吸い込み法による発声に移行し、母音発声、母音+子音の組み合わせ発声、それから徐々に長い単語を言えるようになるトレーニングが必要であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発声セルフトレーニングプログラム開発は、Dick and Carryのシステムアプローチに沿って進んでおり、当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度分析した内容を踏まえ、次年度はプログラム開発に取り組み、そのプログラム効果、効率等について形成的評価を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中の段階で研究が予定よりも進んでいたため、論文作成を考慮し、次年度分の前倒し請求を行ったが、本年度は作成しなかったため、予定通り来年度に論文作成等を行う計画とする。
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