研究課題/領域番号 |
19K10928
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
澤田 いずみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (50285011)
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研究分担者 |
石川 幸代 西武文理大学, 看護学部, 教授 (30449988)
塚本 美奈 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30608500) [辞退]
道信 良子 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (70336410)
小川 賢一 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (10912511)
原田 瞳 西武文理大学, 看護学部, 講師 (90720847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 応援 / 精神障害をもつ親 / 子育て / ネットワーク支援 / 概念分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、“応援”概念に基づく精神障害をもつ人の子育て支援アプローチの開発に関わる研究である。 今年度は、日本の医療分野で健康問題を抱える人へ実践されている応援の定義を明らかにすることを目的に、国内文献29件を対象にRogersの概念分析を行った.その結果、医療分野の応援は,生き方の模索が続く健康問題を抱える人への【自分らしくあることの困難性への共感】に基づいて,医療者が【その人が自分らしく生きるために味方になり新たな活動を試みる】ことで【その人らしくなってくる姿に医療者としての自分らしさが充実していく】過程であった.味方になるとは,医療情報を分かり易く伝えること,対象者と願いを共に考え支えること,対象者の思いを代弁し共感を周囲に波及させ仲間を作ることにより,その人らしさを支えることであることであった,医療分野での応援は,対象者のその人らしさを大切にしたい医療者を勇気づけ、新たな活動の創出を助ける概念と考えられ,この成果は日本看護科学学会誌に掲載された. ここで明らかになった応援の定義の妥当性を検討するため、精神専門看護師の学習会、北海道浦河町の子育て応援者の集会で報告を行い、質問紙にてフィードバックを受け、概ね妥当との回答を得た。また、北海道浦河町の子育て応援の実施者4名、ならびに応援を受けている親3名に応援することとされることの実際についてインタビューを実施し、現在分析中である。 応援概念は、生き方に模索が続く精神障害をもち子育てする人に主体を置いた新たな支援とネットワークの構築に寄与する概念であり、対象者と支援者の互恵的な関係性は日本文化に馴染む支援スタイルであると考えられた。
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