研究課題/領域番号 |
19K10943
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研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
別宮 直子 人間環境大学, 松山看護学部, 准教授 (30438246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自律神経活動の変動 / 統合失調症 / 指尖部加速度脈波 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「極めて簡便な加速度脈波測定システムを用い統合失調症者において長期縦断的に自律神経活動を測定し自律神経活動の変動の特徴を明らかにし、その臨床への可能性を探ること」である。統合失調症者における長期縦断的な自律神経活動の変動の特徴を明らかにするため、統合失調症者30名を対象とし、マッチングした健康な成人30名と比較検討する。被験者には、加速度脈波測定システムを用いた自律神経活動の測定、レーザー血流計を用いた末梢血流量の測定、精神状態や気分状態に関する質問紙への回答をおこなってもらう。また、長期縦断的な自律神経活動の変動をみるため、同一被験者に対し4週間に1回の計12回の測定を実施する。 2019年度には、本研究に必要な研究機器の購入および研究プロトコルの作成を行った。 さらに、本年度には、研究者が所属する機関の研究倫理委員会の審査を受けた。指尖部の脈波から計測するなど非侵襲的な研究ではあるが、対象者が統合失調症者であり、また、長期縦断的に自律神経活動を測定することや気分状態への回答を行ってもらうことから、倫理的配慮は重要となる。研究倫理委員会の審査の結果、課題名「統合失調症者における長期縦断的な自律神経活動の変動の特徴とその臨床への可能性」研究実施許可番号2019M-001と承認を得た。 研究者が所属する機関の研究倫理委員会の承認後には、精神科病院や地域活動支援センターおよび作業所に研究協力依頼を行い、研究協力への承認、必要時、施設の倫理委員会の承認を得る予定であった。しなしながら、新型コロナの感染拡大により、研究協力依頼の対象病院等への訪問および依頼が憚られる事態となり、新型コロナ感染の収束状況を待つ事態となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度には、研究者が所属する機関の研究倫理委員会による承認を得ることができた。精神科病院や地域活動支援センターおよび作業所に研究協力依頼を行い、必要時、施設の倫理委員会の審査を受けるため、研究協力依頼の資料の準備を行い、研究協力施設への申し入れを行う予定であった。しなしながら、その矢先、新型コロナ感染の問題が生じた。研究依頼予定であった病院等では、厳格な感染予防が取られる状況となり、外部からの訪問を断る状況となっていた。未曾有の非常事態に本研究への協力依頼を行う余地はなく、また、本研究は、研究協力依頼後も研究者が長期的に研究協力施設に入り行う研究であり、現在の新型コロナ感染が収束してからでないと、長期縦断的な研究実施は困難である。そのため、新型コロナの流行下の現状において、研究協力機関への依頼が行えておらず、実施の見通しが立たず遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進については、新型コロナ感染が収束に向かうことで、研究協力施設への訪問および依頼、さらに必要時には協力施設の倫理委員会への申請が可能と考える。しかし、新型コロナ感染の流行は第2波、第3波が危惧されるため、研究協力を承認された後も、本研究の実施時期にはかなりの検討が必要であり、当然、協力施設の方針に従うことが前提となる。 本研究は、被験者1名への測定であり、密になることはない。施設に入る前の体温測定から、手洗いおよびマスクや手袋の着用、被験者に接触する器具類を可能な限り消毒等を行い感染予防に努める。 まずは、研究実施予定の地域が感染警告期から感染縮小期に移行された時点で、研究協力施設に研究協力の依頼を打診し、研究協力の承諾を得るとともに、研究実施に向けた方法を調整し検討する。また、新型コロナ感染のクラスターが発生しやすい精神科病院以外の地域活動支援センターや作業所での研究協力依頼を主に行うなど、研究協力施設の変更により実施可能かを模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者による物品購入時の計算ミスにより136円の残額が生じてしまいました。次年度は、新型コロナ感染収束後には、本研究における研究協力依頼や対象者への研究の同意および自律神経活動の測定のため、研究協力施設への訪問を何度も行う必要があり、交通費等の次年度使用額と併せ、可能ならば、消耗品等の購入として使用したい。
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