研究課題/領域番号 |
19K10950
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
澄川 真珠子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (20432312)
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研究分担者 |
桑村 由美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90284322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フットケア外来 / 外来システム / SWOT分析 |
研究実績の概要 |
第 26 回日本糖尿病教育・看護学会学術集会において、「明日につなげよう、フットケア外来運営の改善に向けた取り組み」と題し、80分間のWeb交流集会を開催した。企画者は4名であり、糖尿病看護を専門とする臨床看護師と大学教員であった。参加者は46名であり、フットケア外来の運営に携わっている者、糖尿病看護に関連した専門看護師・認定看護師・糖尿病療養指導士などの資格を有する者であった。参加形態は、ライブ参加者12名、オンデマンド参加者34名であった。研究代表者である企画者がSWOT分析枠組みの活用について講義をした後、SWOT分析枠組みを用いて自施設の課題を抽出し、その後、企画者4名がファシリテイをしてグループ討議を行い、全グループにおいて情報を共有した。終了後のアンケート結果より、SWOT分析枠組みの活用したことで、「自施設の強みを振り返り、自施設のアピールの仕方を考え直すことができた」、「人材とケア時間の確保のための方策を見いだせた」、「自施設外に目を向け、多くの資源を活用する必要性に気づけた」、「背中を押された」などの意見があった。 また、COVID-19の影響を受け、通常のフットケア外来業務が運営できていない施設もあり、コロナ禍におけるフットケア外来運営システム構築を早急に行う必要があると考えらえた。参加者の中には、「SWOT分析枠組みについて初めて知った」、「短時間の講義、個人及びグループワークだけでは枠組みを使いこなせなかった」、「グループワークをもっとしたかった」という意見が多数あったため、交流会の継続が必要と考えられた。また参加者の中からフットケア外来システムの構築に向けた調査協力の申し出があった。今後は、2022年度の診療報酬改定も踏まえたコロナ禍においても運営できる外来システムの構築に向けた協力施設に対する支援の在り方を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
わが国のフットケア外来構築に向け、全国のフットケア外来を運営している施設に協力を依頼し、SWOT分析枠組みを使用し、自施設の強みや弱みを抽出することにより、外来システム構築のための方策を検討する調査を実施する予定であった。しかし、全国的にCOVID-19が流行し、緊急事態宣言下やまん延防止等重点措置下にあったことから、フットケア外来の運営を中断している施設が多く、調査協力が得られなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始時に予定していた質問紙調査は、多施設においてSWOT分析を行う量的調査を予定していたが、協力いただく施設の負担が大きいことに気づいた。そのため、第 26 回日本糖尿病教育・看護学会学術集会において研究協力者を募ったことから、協力者は少数にはなるが、協力施設のSWOT分析が行いやすいように、研究者も参加者としてSWOT分析に参画し、効果の検証を縦断的に質的に評価する研究内容にシフトする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本糖尿病学会の認定施設にうちフットケア外来を有している施設に対して質問紙調査を実施予定であったが、COVID-19の影響により調査ができなかった。コロナ禍における新たなフットケア外来システムの構築に向けて、糖尿病看護を専門とする看護師に協力を得て、研究者自らも参画し、SWOT分析の枠組みに基づいてフットケア外来の現状を分析し、その効果を検証する質的研究に変更する。そのため、全国の施設に出向くための交通費が必要となること、移動時に使用するノートPC、文字起こしソフトウェアなどの購入が必要である。また、成果発表や論文投稿のための英文校正費や交通費が必要となる。
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