研究課題/領域番号 |
19K10952
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
越智 幾世 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50803954)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80259431)
石川 剛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90372846)
内藤 真理子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10378010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がん免疫療法を受けている患者のGOHAI / 口腔内PH |
研究実績の概要 |
研究の目的は、がん免疫療法を受ける患者のための口腔粘膜炎に対する看護介入プログラムを開発することである。 その第一ステップとして、がん免疫療法による口腔粘膜炎が患者に及ぼすQOLと高齢患者のセルフケア能力、口腔ケア状況、口腔内pHの実態調査を行っている。倫理審査が6月に承認されたが、コロナ禍において、研究フィールドである外来化学療法センターとの調整を慎重に行う必要があった。今年に入りやっとフィールドでの実態調査に着手することが可能となった。具体的には、免疫チェックポイント阻害薬の投与を受けている患者に対して、GOHAI (General [Geriatric] Oral Health Assessment Index)を用いて患者の口腔関連のQOLについて質問紙調査を行い、65歳以上の患者に対しては、高齢医学において一般的に用いられている高齢者機能評価G8( Geriatric 8)スクリーニングスケールを使用してセルフケア能力を評価する。さらに、口腔ケアの習慣について、歯ブラシによる口腔ケアのタイミング(起床時、朝食後、昼食後、夕食後、眠前)、含嗽についても回数やタイミングを質問紙にて調査する。これらの調査から得られた結果をもとに、関連性を探索し解析していく計画である。また、口腔内のpHの測定を行っており、測定値と質問紙の結果、診療録から得られた基本情報との関連性についても探索し解析していきたいと考えている。現在、研究協力者は60名弱であり、予定の100名には至っていないため、実態調査を進めていく。その後に口腔内洗浄液による介入研究を行う計画であるが、その倫理申請はまだできていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍において、様々なスケジュールが予定通りに進められない状況にある。 そのような中でも研究協力を得られるようにするには、慎重な調整が重要となり、計画よりもかなりの時間を要している。詳細を述べると、研究フィールドが外来化学療法センターであることから、研究を進めるにあたり、研究対象者のみならず、研究フィールドの他の患者、医療関係者などすべての人々への感染対策の徹底に留意が必要となる。特に唾液のPHの測定においては、外来化学療法センターから個室に移ってもらい実施をさせてもらっている。感染物質として、取り扱いを厳重にしなければならないことも、時間を要す一因ともなっている。
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今後の研究の推進方策 |
大学の新型コロナウイルス対応指針に遵守しながら、現在進行している第一ステップの研究「がん免疫療法を受ける患者の口腔粘膜炎の発生状況と口腔関連QOL・セルフケアの実態調査」の実施を継続していく。あと40名あまりのデータ収取を行いながら、これまでのデータの整理を行っていく。特に診療録からの情報の収集ができていないので、行っていきたい。それらのデータを概観しながら第2ステップの介入研究へ進めるべく倫理申請にも取り掛かる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が進んでいないことから、結果がまだ出せていないため、各種学会発表にエントリーできていないことで交通費等を使用させてもらっていない。また、論文投稿もできていないことから、それに関する諸経費を使用させてもらっていないため、次年度使用額が発生している。
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