研究課題/領域番号 |
19K10953
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
北村 愛子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (90772252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 急性心不全 / 活動耐性低下 / 回復促進 |
研究実績の概要 |
本年度は、1)活動耐性低下を呈した患者の経験から回復に何が影響しているか、2)看護師が急性心不全患者にどのような看護実践を行っているのかを明らかにした。 研究1)10名の急性心不全患者にインタビューし患者の経験から活動耐性低下の回復に影響する要因を内容分析した。結果、阻害要因として11カテゴリー、促進要因は、8カテゴリーが明らかになった。回復を阻害する経験として、【発作時の苦痛症状の記憶】【活動できない辛さ】【口渇の苦しさ】【眠れない苦痛】【倦怠感による苦痛】【記憶がなく考えられない】【苦しみに耐えられず死を意識する瞬間がある】【人との関わりの苦痛】【自分に対する苦悩】【先行きの不安定さ】【苦しみに耐えられず死を意識する瞬間がある】が明らかになった。また、回復を促進した経験は、【救急を認識し死を回避する対処行動】活動の心身の準備】【自分で動ける実感をもつ】【活動への意欲をもつ】【飲水の工夫】【良眠による克服】【自分で超える気持ちをもつ】【生死を覚悟しながら自然に任せる】ことが明らかになった。 研究2)集中治療室で急性心不全患者への看護実践の経験をもつ看護師11名にインタビューし、患者に必要な看護実践を抽出し内容分析した。結果、20テーマの看護実践内容が明らかになった。主な看護活動は、呼吸困難の症状緩和ケア、除水による症状緩和、安静時の苦痛を緩和する、観察しながら活動負荷をかける、不安緩和のケアであった。 今後、急性心不全で活動耐性低下を呈した患者の回復促進の看護実践プログラム開発のために、患者の経験と看護師の看護支援内容をもとに看護プログラムを作成し、実践後の改善点を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ肺炎に伴う病院の対応の変化により、データ収集に遅れが生じているが、実施施設の再検討も行い、研究を推進していく
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ肺炎に伴う病院の対応の変化により、データ収集を行う際の倫理配慮をより慎重に実施する。安全に研究推進ができるように研究方法を追加する
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析に用いるパソコンおよび印刷機を購入する予定だったが、感染による緊急自粛に伴う商品流通が途絶えて購入できなかった。次年度に購入予定で発注している
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