研究課題/領域番号 |
19K10953
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
北村 愛子 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (90772252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 急性心不全 / 活動耐性低下 / 看護プログラム |
研究実績の概要 |
改訂プログラム実施後の結果、活動耐性低下の生理学的な変化において、看護活動による有害事象はなく安全に実践することができていた。4ケースは活動による循環変動があったが活動した方がバイタルサインは正常化していた。せん妄は10例中1例発症しHADSでは、プログラム実施後は「抑うつ」で有意差があった(p=0.034)。活動耐性の心身のコンフォートの感覚において、特に、ease(p=0.202)、transcendenceで有意差がみられた(p=0.015)。患者は【食事がおいしくて元気になる】【心地の良いケアで安らいだ】【呼吸がしんどくなくなり不安がなくなる】と苦痛緩和し【動くことで自信をつけたい】と意欲が支えられ【ケアで安心し癒される】【そばにいて安心できた】と乗り越えていた。 26項目のプログラムに洗練した結果、平均88%実施率となっていたが、リラクセーションについては、看護師は「これでいいのか自信がない」という表現もあり更に分かりやすくする課題があった。また、自分の看護実践を改めて考える機会となった、患者と共に進むことができたという効果が得られた。専門看護師からも、看護師が安全基準でケア前後の判断ができる点や苦痛や苦悩を観て負担をかけない考え方になったことの評価を得た。 本研究の看護プログラム開発過程で、活動耐性を呈する患者のストレス緩和の重要性が明らかになり、プログラムを改訂することで、急性心不全患者の活動耐性における耐久力の成果として安全に実践できたことや苦痛緩和による抑うつの変化も効果がみられ患者の自尊感情維持と意欲向上も確認できた。苦痛緩和を基盤にしたコンフォートケアによる全人的ケアの観点で開発された本プログラムは、実用的で患者と看護師の相互関係にも変化をもたらした。活動耐性低下患者には心身相互のアプローチが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オンラインを用いた研究によりデータ収集が継続できた
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究成果をまとめて公表できるように進行していく予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集を継続し研究成果をまとめて公表にまで至っていないため
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